今日の漢字998は「習」。予習復習で楽しむ大河ドラマ
今日の漢字は「習」。習字、学習、練習、風習、常習、習慣、習近平。
今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を第5話まで見た。連続ドラマは滅多に見ないが、今回は珍しくハマっている。今まで私が知らなかった鎌倉幕府創設の歴史が学べる点が大きい。戦国モノや幕末モノは大体歴史背景は知っているが、鎌倉時代は源平合戦と元寇くらいしか見どころがないため興味がなかったが、今回北条義時という地味な武士を取り上げているのが、逆に興味をそそる。
ところで、大河ドラマは本作品で61作品目。私が今まで完走したのは「真田丸」と「麒麟がくる」しかないが、どの時代を取り上げたか調べてみた。結果、平安3、鎌倉6、室町1、戦国時代22,江戸時代11、幕末13、明治〜昭和が5となった。
圧倒的に戦国時代が多いのは、視聴率が取れるからだろう。登場する武将も有名どころが多く、オールスター感謝祭状態。幕末も江戸幕府滅亡や開国という激動の時代が視聴者の共感を得やすい。その点、平安、鎌倉、室町は地味で、1年間ドラマが持つかという難題に直面する。
今回の登場人物も源頼朝や義経、平清盛は有名ではあるが、そのうち彼らはいなくなる。その後は義時と北条政子が中心となるが、それ以外の武士、御家人は極めて地味。梶原景時や比企能員は、日本史をしっかりと勉强した人くらいにしかわからないのではないか。そんな地味な歴史をいかにおもしろく見せるか、脚本家三谷幸喜の手腕が問われる。そしてそのひとつの試みが番組タイトルに「鎌倉殿の13人」と数字を利用したこと。大河ドラマのタイトルで数字を使用するのは初めて。「7人の侍」を意識したのか、はたまたAKB48や乃木坂46を意識したのか、もしくは「オーシャンズ13」のハリウッド映画を意識したか。しかし、もしタイトルが「北条義時」であったなら、国民の視聴意欲は大いに低下していただろう。だから主役である北条義時にスポットを当てるのではなく、義時のステークホルダーも巻き込むことで大きな活劇を見せる方向に舵を切ったと推測できる。地味な13人にそれなりの光を当てる演出で、素材をうまく料理していこうとする意欲を感じるのである。
さて、そんな意図を感じながらテレビを見る私だが、以前なら大河ドラマをより一層楽しむ目的で、ドラマの関連書籍を買って勉強していた。しかし今はご丁寧にユーチューブの解説動画が溢れている。それを見てドラマの予習復習に大いに利用させてもらっている。最近は金曜日あたりに次回のストーリーを解説するユーチューブ動画、日曜日にNHK本編、火曜日あたりに復習のユーチューブ動画と、一粒で三度美味しい楽しみ方をしている。
本来は学校で勉強しておしまいの歴史を、多くの役者と制作費と時間を投入してドラマで再現するのは、ある意味歴史が継続する日本だからこそできる技。だから題材は何であれ、国民の知的好奇心を刺激する大河ドラマはずっと続いてほしいと願うのである。