笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字706は「角」。角川映画は青春の1ページ

今日の漢字は「角」。四角、鋭角、折角、角材、互角。

 

   角川3人娘がいた。角川映画をヒットさせるために生み出したヒロインたち。薬師丸ひろ子原田知世、渡辺典子。角川春樹社長は、出版社が映画を手掛けるという、当時斬新なアイディアで時代の寵児となった。犬神家の一族横溝正史)、野生の証明(森村誠一)、蘇る金狼(大藪春彦)などの映画を次々とヒットさせた。「読んでから見るか。見てから読むか」の名キャッチコピーがテレビCMや角川文庫の帯に踊り、原作を読んでから映画を見るという行動の草分けとなった。

 

   私も角川映画に感化され、角川3人娘が主演を張る映画をほぼ見に行った。なかでも薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」は、角川映画史に残る名作ではないかと思っている。原田知世のデビュー作「時をかける少女」は3回見に行ったし、「伊賀忍法帖」で渡辺典子を見た。我が青春時代とラップする角川3人娘の存在だったといえる。

 

   そんな数々の角川映画の中で、今のまさにコロナ禍を想起させる映画が「復活の日」。草刈正雄が主演し1980年に公開された。空気感染で致死率100%のウイルスが世界に拡散、破滅に向かう中、感染を免れた南極基地の隊員たちが地球を救うというもの。私は高校生の時に映画館で見たが、まさにパンデミックを地でいく内容に戦慄を覚えたものだ。草刈正雄が地球を救うべく活躍するが、猛威度は違うものの、ウイルスが全世界を死に至らしめるという内容は、今のコロナ禍にも通じるものがあり、40年前にそれを予測していた原作者の小松左京は凄いと言わざるをえない。

 

  また、個人的に好きな角川映画のひとつに「戦国自衛隊」がある。自衛隊員が戦国時代にタイムスリップし、隊長(千葉真一)が上杉謙信と組んで川中島武田信玄を打ち負かすストーリー。戦車&ヘリコプターVS足軽、騎馬隊という構造がとても映像向きであり、これも私は劇場で2回見た。千葉真一自衛隊の兵器を使って天下統一を目指すことに対し、上杉謙信が危機感を抱き、最後は上杉謙信千葉真一を抹殺するという、とても儚いストーリーだが、結局歴史の勝者はまさにその時代に生きている者だということを強烈に表現していた。タイムスリップ映画は数多いが、この戦国自衛隊バックトゥーザフューチャーがタイムスリップものとしては双璧を為すと個人的に思っている。

 

   このように、派手は部分もありながらツウ好みの良作もあった角川映画。原作をうまく発掘してきて、映画とともに作家フェアと称して思い切り角川文庫を売る戦略もさることながら、ほぼ素人のアイドルを映画に登場させ、成長戦略で売っていくというビジネスの下地を作ったわけで、角川春樹社長の功績はい大きいと感嘆してしまうのである。

f:id:laughing-egao:20210419205458j:plain

広島市は三角州にできた街