笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字1016は「睦」。仲睦まじい夫婦について

今日の漢字は「睦」。親睦、和睦、睦言。

 

「仲睦まじい」という修飾語が加えられるのはほぼ「夫婦」に対して。比翼連理、偕老同穴、夫唱婦随、相思相愛など夫婦仲が良いことを示す四字熟語は多い。夫婦仲が悪い熟語は犬猿の仲くらいしか思い浮かばないから、基本的に人類には博愛の精神が深く根付いているような気がする。

 

 夫婦と言えば、「鎌倉殿の13人」では、源頼朝北条政子の夫婦が描かれる。そこで今回のテーマは日本史における有名な夫婦について考える。日本史上最も有名な夫婦はこの2人。しかも北条政子は頼朝の死後も鎌倉幕府の政権の中枢を担う「鎌倉版メルケル」で、800年前に既に比類のないリーダーシップを発揮していたから凄い。夫婦時代よりも、ひとりやもめになってから本領発揮という人物もあまり聞いたことがないから、インパクトは絶大である。

 

 「内助の功」の代名詞といえば山内一豊の妻千代。なぜかこの熟語と山内一豊がセットで語られることが多い。一豊は妻千代の支えのおかげで、掛川城主から土佐一国を任される大出世をしたとの定説である。多くのサラリーマンは妻に支えられて出世した山内一豊の人生を羨ましく思うのだろうが、令和の時代に、妻がひたすら夫を支える構造はもはやない。「内助」や「家内」の言葉はいずれ辞書から消える運命にあるだろう。

 

 足利義政日野富子。彼女も北条政子淀殿と並んで日本三大悪女のひとり。義政の側室を追放したり、将軍後継者問題に顔を突っ込み、応仁の乱を引き起こしたりと、ハチャメチャだったようだ。権力を握ると、とんでもなく豹変する典型だろう。

 

 打って変わっておしとやかに、明智光秀の妻熙子。「麒麟がくる」では木村文乃が演じていた。武将には珍しく、明智光秀は側室を持たず、生涯妻だけを愛したそうだが、ドラマでも仲睦まじい姿が描かれていた。明智が貧乏武将の頃、客人をもてなすために、煕子は自分の髪の毛を売って饗応に当てたという微笑ましいエピソードが残る。

 

 坂本龍馬とお龍。謎多き坂本龍馬。この夫婦は有名だが、私には今ひとつ知識がない。なぜなら司馬遼太郎の「竜馬がゆく」にトライしたが、あまりのボリュームの多さに途中で挫折した経験があるから。そのトラウマが残り、今ひとつ龍馬には感情移入できない。

 

 豊臣秀吉淀殿。これまた戦国時代のメルケル淀殿。しかし政権を獲ること無く、大坂城に散る運命となるが、側室でありながら秀吉との間に秀頼をもうけ、実権を得ていく。大河ドラマ真田丸」では、今はなき竹内結子が演じていた。まさに権力者秀吉の死後しゃしゃり出てきた大御所という感じが、これまた3悪女と言われる所以なのだろう。

 

 夫を支えるのか、夫以上に存在感を増すのか、夫婦によってさまざま。表舞台に出たがった安倍元首相の妻もいれば、全く顔を出さない菅元首相や岸田首相の妻など、人それぞれである。熟年離婚が多い世の中ではあるが、波乱万丈ではなくともボケずに老年まで仲良く添い遂げることが、死に際において最後に得る幸福感ではないかと思ってしまう。

 

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