笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字978は「怪」。怪我の功名とは

今日の漢字は「怪」。妖怪、怪奇現象、怪文書、怪訝、怪物、怪傑。


 「怪我の功名」という言葉がある。過ちや事故によって思いがけないメリットが生み出されること。
私の場合は、何と言ってもお酒。元来お酒には強くはないものの、以前はお酒を飲むこと自体が大好きで、毎日缶ビール1本を開ける晩酌を楽しんでいた。しかし大病を経験。そしてそれを機に思い切って禁酒することにした。禁酒は忸怩たる思い&断腸の思いではあったが、意外なところで功名を得た。

 それはアフター5の時間の使い方が充実したこと。以前なら缶ビール1本で十分酔い、気分はいいものの、脳が麻痺するから、そのあとは何もやる気が起きず、ついついだらだらとテレビを見て寝るパターンだった。しかしお酒が入らないと、脳はクリアなままだし、夜は長いから、何かしようとなる。そこでこのように文章を考えてブログを書けるようになったし、読書もできる。最近では資格の勉強も始めた。お酒を飲んだら、読書は2分も経てば速攻眠くなる。そのまま晩酌習慣が続いていれば、ブログを毎日更新するということは不可能だっただろう。お酒を飲めば、「あー酔ったから今日は面倒くさいからやめよう」となるのは必至。それが無くなり、時間を有効活用できるようになった。

 お酒を辞めたことによるライフスタイルの変化は、お酒の楽しみを失った反面、充実した時間を手に入れるという怪我の功名の事例だった。

 他人の怪我の功名の一般的事例として良く聞くのは、「禁煙したら、食事が美味しくなった」とか、「病気を機に運動を始めたら体調が良くなった」など。何かのきっかけで意識を変え、その習慣が当初は本人にとって苦痛やマイナスだったことが、実はいい結果を招くこともある。トライすると意外と僥倖になることが多いのだが、人は易きに流れるため、禁煙のように、なかなか実行する決断ができない。意識を180度変えるのは本当に難しいが、変革にチャレンジし、定着させることで新たな景色を見ることができるのも事実なのである。

 ただし、私の場合はいまだに夢で宴会シーンに出くわし、楽しそうにお酒をぐびぐび飲んでいる。深層心理においてはまだお酒が飲みたいという欲求がどこかで渦巻いているのだろうが、表層心理においては、全く飲みたいと思わなくなった。「酒は百薬の長」というのは実は嘘で、人によっては毒にもなるのだということを理解するのに、60年近くかかるのも情けない話ではあるが。

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怪獣と言えばバルタン星人