笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字814は「我」。我慢する人生はいい人生なのか

今日の漢字は「我」。自我、我が家、我欲。

 

    我慢できる人が成功するという考えがある。

    アメリカで行われた有名な実験に「マシュマロ実験」というのがある。

   4歳の子供の前にマシュマロを1個置き、「15分ほど出かけるけど、帰るまでにマシュマロを食べないで我慢できたらもう一つあげるよ」と言って部屋を出ると、必ず我慢できる子と我慢できない子が出てくる。そしてその実験は子供が22歳になるまで追跡調査という形で続き、その後の人生を比較すると、我慢できた子供は、大学入試で高い点数を取るなど、相対的に良い結果を残したことが確認されている。つまりマシュマロを我慢できずに食べてしまった子供よりも、食べなかった子供の方が相対的に学業成績が良かったのである。

 

    さらに実験は続き、被験者が45歳のときに行われた追跡調査では、22歳の時に確認された傾向が人生の半ばまで続き、いわゆる成功者だったことが判明した。

    人間は易き方に流されやすい生き物だから、どうしても目先の満足度を優先してしまう。

 

    美容や健康に悪いとわかっていても、「そのうちやめるから」と思いながら、つい食べ過ぎたり、飲み過ぎたり、一服したりする。結局、「1回くらいいいだろう。明日から禁煙しよう」とずるずると誘惑に負けて悪習慣は続き、結局我慢できずにやめられないということになる。

 

    私はある時期から健康のためお酒をきっぱりと止め、もう数年お酒を飲んでいない。たまたま今はコロナ禍で宴会や飲み会がないので楽だが、禁酒最初は、飲み会の席ではつらかった。最近でこそお酌文化が下火となり、ビールや熱燗を注ぎ会う慣習は無くなりつつあるが、ノンアルコールで付き合うには居心地が悪い。お酒を飲んでいた時代を知っているからこそ、余計につらい部分はある。しかし自分が決めた習慣なので一種の我慢と思っている。

 

    先のアメリカの研究のように、我慢できる性格の人の人生は我慢できなかった人よりもいいというのは、自分の人生に置き換えてみてもあまり影響はないように思う。お酒をやめる我慢による「健康でいたい」という思いと、そうは言っても「酒のない人生は味気ない」を天秤にかけて、「もうこの歳なのだから我慢するだけ無意味」という見解も成り立つ。どちらが正解というのはないが、我慢して歩んだ人生と、我慢なんかクソくらえで歩んだ人生と、どちらが良かったかは、死ぬ間際でないとわからないというのが本当のところではないかと思う。

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竹脇無我という役者がいた