笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字547は「大」。大酒飲みとは付き合いたくない

今日の漢字は「大」。大河、大勝、大将、重大、偉大、大谷翔平

 

「酒は飲んでも飲まれるな」の格言があるが、大酒のみは厄介である。

    福島正則のケース(ポンコツ武将列伝:長谷川ヨシテル)は面白い。

    福島氏は、酒豪ナンバーワン武将だというのが、長谷川氏の主張。こんな逸話がある。

    彼は、酔って記憶を無くし、自分の言いつけを守らなかった家臣に切腹を命じ、実際に家臣が切腹。酔いがさめて正気に戻った福島は、家臣から事情を聞き、自分のしたことを大いに後悔し号泣したという。(何という人権無視)

 

    また、正月に挨拶に来た黒田家の重臣母里太兵衛にしきりに酒を勧めたが、母里太兵衛は酒癖の悪い福島氏と酒宴になると、大変なことになると固辞していたところ、福島氏は、お主が酒を飲めば自分が大事にしていた「日本号」という名槍を褒美で与えると酔った勢いで要請。母里太兵衛は見事酒を飲み干し、日本号を持ち帰った。

   その後酒の抜けた福島は、日本号を与えてしまったことに大慌て。返してくれと泣きついたものの、あとの祭りで、母里太兵衛はその日本号を戦場で常に愛用したとのこと。

 

    翻って令和の時代。私の知人(しかも女性)は大酒飲みだけではなく、飲んですぐに記憶を無くす。飲んでいる時は明るく快活に機関銃のようにしゃべりまくる。罵詈雑言や痴話は当たり前。愚痴や泣き言のみならず、放送禁止用語も飛び出し、手がつけられない状況になる。

 

   同席者は「ああ、また始まった」と話半分としながら、「まあまあそうは言っても」「不満はわかるが、それくらいにしといたら」となだめすかすも、本人は馬耳東風。「場を荒らす」という表現が相応しい暴れぶりで、言いだけ言って去っていく。

 

   しかも翌日は頭痛で具合悪そうにしながらも、ケロッとして登場。「昨日お前何言っていたか覚えているか」と聞いても「えっ、何かまずいことでも言いました?」と全く反省する気もなく、「またやっちゃった」と返された日には、(昨日の俺の時間を返せ)と憤りをぐっと抑えつつ、「記憶無くすなら酒を飲むな」と忠告するしかなかった。しかし普段の性格は穏やかで憎めないタイプであったから、酒は人を変えるという典型を見たような気がする。

 

    酔って記憶を無くすのは、一時的記憶喪失のブラックアウト。日々の出来事を記録として留める脳の海馬がアルコールによって麻痺するからである。ブラックアウトを起こすような飲み方をしていると、体にダメージを受けるから注意が必要だが、酒によって理性が完全に失われてしまうのだろう。

 

    大酒飲みでも、全く普段と変わらず淡々と飲む人も怖い。日本酒の一升瓶を2人であっという間に開ける同僚がいたが、ほぼ下戸に近い私としては、目を丸くするしかなかった。私は酒に弱いから、飲むとすぐ寝てしまう癖があったが、一旦寝て、起きたら、2人は2本目の一升瓶に手をつけていた。どれだけ飲むのだとびっくりしたことがある。水のように飲む姿は圧巻ではあったが、2人とも意識を無くすでもなく、淡々と飲む姿を見るにつけ、戦国武将の酒飲みたちも、戦を前にこうして淡々と酒を飲んでいたのではないかと想像した。ちなみに3人で飲めば当然私は割り勘負けするから、そそくさと退散したのは言うまでもない。

 

   鯨飲馬食という言葉があるが、鯨のように酒を飲む人間には見られたくないというのが本音である。

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大いに笑い、大いに楽しもう