笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字955は「非」。非業の死を遂げた偉人とは

今日の漢字は「非」。非凡、非公式、非情、非力、非常口、非国民。

 

    不慮の死を意味する「非業の死」。志半ばで亡くなるということに使われる例があるが、そんな非業の死を遂げた偉人を振り返る。

 

    何と言っても、歴史上、最も有名な「非業の死」の偉人は、織田信長を置いて他にはいない。これぞキング オブ ヒゴウノシ。天下統一という偉業をまさに成し遂げようとする寸前に明智光秀の謀反により、非業の死を遂げた。歴史のifで必ず議論される、「信長が天下人となっていたら、その後の日本はどうなっていたか」。日本史のロマンを語る上で避けては通れないテーマと言える。100人にアンケートを取れば、7割くらいは、信長を挙げるのではないかと思う。

 

    お次はこれまた人気者、坂本龍馬。彼も幕末期に大活躍し、文明開化の灯を見ること無くこの世を去った。これまたもし龍馬が明治期の政治に携わっていたら、果たしてどうだったかというのは気になるところ。ただ、坂本龍馬司馬遼太郎が小説でかなり誇張して持ち挙げたものであり、実際のところは大したこと無かったという説もあり、謎に包まれた人物でもある。



    フェルナンド・マゼラン。いきなり海外に飛ぶ。ご存じ初めて世界一周を成し遂げたポルトガルの探検家。海峡にも名前を残すほどの英雄であるはずが、世界を一周したのはその部下というから、結末がしょぼい。彼の部下により「地球は丸い」と証明されたので、その功績は絶大なものの、マゼラン自身はフィリピンで原住民と争って命を落とすことになる。もし彼が無事航海の後ろ楯となったスペインに帰っていれば、ヒーローになっただろう。莫大な富を築いたかもしれない。しかしながら、出港時には5隻の船と265人もいた船乗りが最後は1隻18人とまさに「ほうほうのてい」でようやく寄港。本当に褒め称えられるのは、その18人の船乗りだが、世界史的には誰の名前も語られないのは寂しい。

 

    他にも非業の死と言えば、カエサルリンカーン、吉田松蔭、高橋是清西郷隆盛伊藤博文ケネディ、マリリンモンロー、ジョンレノン、尾崎豊らが思い起こされる。銃弾に倒れた人もいれば、薬物で倒れた人、自死した人と、多くの人から「惜しい人を亡くした」と同情を受ける。

 

    歴史に名を残すということは、それくらい世界や社会に大きな影響を及ぼしたことに他ならず、功績は大。晩年に渡るまで信念や志を貫き通し、社会に大きな恵みをもたらせてくれた偉人たちは大きく評価されるべきなのだが、なぜか志半ばで倒れた人々に対しても共感が湧くと同時に記憶に残りやすい。非業の死とは、それほどインパクトのあることなのだろうが、我ら凡人にとっては、非業という事自体があるわけではなく、「普通に長生きして死んでいく」ことが一番幸せな生き様ではないかと最近とみに思っている。

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非番の休みは嬉しい