笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字898は「痴」。鳥取出身の友人は愚痴が多かった

今日の漢字は「痴」。痴漢、痴話、音痴、痴呆、痴話喧嘩。

 

  都道府県シリーズもどこまで来たか。何とかかんとか続いている。毎回適当な都道府県を選んでいるが、文章を書くのにも、ネタを絞り出すのはつらい。

 

   今日は鳥取。「スタバはないが、鳥取には日本一のスナバがある」と自虐的に述べた鳥取県知事のユーモアセンスは素晴らしい。現地には、スナバ珈琲が多店舗展開しているというから、自虐ネタを逆手にとって商売につなげるところは商魂たくましい。

 

   大学時代の友人で鳥取県鳥取市の出身者がいた。彼(仮に鳥取君)はよく地元のことを嘆いていた。彼が言うには、鳥取は、「とにかく田舎で暗い」。「何もない」。「米子に負けている」。「帰りたくない」と愚痴のオンパレードだった。そんな彼のボヤキをいつも聞いていたので、鳥取のイメージはどうしてもネガティブなものになりがちだった。
一方、もう一人友人がいて、こちらは島根県松江市出身。彼(島根君)は島根を馬鹿にすることもなく、愚痴を言うでもなく、いつも淡々と穏やかな顔をしていた。だから鳥取君と島根君の2人は対照的で、余計に鳥取君の暗さが強調された。

 

   先の鳥取君はこうも言った。「笑っていいともが夕方4時からなんよ。鳥取には民放が2局しかないから、フジテレビの番組が入らん。かろうじて笑っていいともだけが時間をずらして入っている」と嘆いていた。さらに「日本テレビ全日本プロレスと、テレビ朝日新日本プロレスも同じチャンネルだ。どうなっているんだ」ともぼやいていた。私はそれまで、民放は5局あるのが常識だと思っていたが、地方では見られないチャンネルがあるという事実を、鳥取君のボヤキで初めて知った。要するに県内に系列のテレビ局が2局しかないのだ。

 

   そして私は慰めた。「まあ、関西にいる分には、5局全部見られるし。ここはテレビ大阪サンテレビまで入る。天国じゃないか」。そして彼はこうも言った「就職する時は絶対に5局流れる県に行くから」。最終的に彼は東京に就職したのであった。

   テレビ番組への渇望感はここまで凄いのかと、逆に目を丸くしたのであった。

 

   さて、鳥取には、J3所属のガイナーレ鳥取がある。「大きい」という方言の「がいな」が語源。あの野人、元浦和レッズの岡野氏がGMとして経営に携わっている。県も地味目だが、サッカーも少し地味目。仮にアウエーで参戦したとしても、観光名所が鳥取砂丘だけだとちと寂しい。そういう意味では、仏のような笑顔で日々接していた島根君のいた島根県には、出雲大社松江城石見銀山と見どころ豊富で、どうしても鳥取の陰、島根の陽という視点で見てしまう自分が怖い。

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昔は音痴なアイドルがいたものだ