笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字893は「奈」。古都奈良は、少し田舎

今日の漢字は「奈」。奈落、神奈川、宇奈月温泉小松菜奈、橋本環奈。

 

   奈良県泣くようぐいす平安京せんとくん、鹿、東大寺の大仏、聖徳太子生駒山遊園地、吉野山の桜、明石家さんまの出身地、野球が強い天理に智弁学園。奈良は日本史を語る意味では欠かせない存在。かと言って歴史に思いをはせるのも特長がない。

   生駒山遊園地は奈良県民御用達のレジャーランドだが、ここのケーブルカーは日本一歴史が古い。北海道にはそもそも積雪が多いことから、ケーブルカーが存在しない。だからここや六甲山のケーブルカーでトコトコ山腹を登っていくさまは珍しくもあり、風情があっていい。ロープウェーのように高所恐怖症に陥らないのもいい。

 

   奈良は、どうも京都のおまけ感が強く、京都に行ったらついでに奈良に足を伸ばそうという動機が1000%。奈良は京都ほど洗練されていないし、どこか田舎臭さが残る。奈良市内を鹿が我が物顔で闊歩しているのは、のどかな光景でいい。しかし、街のあちらこちらに落ちているチョコボールのような糞を見ると、鼻白んでしまう。修学旅行も大概は京都見学の後行程に組まれるから、田舎感をさらに助長している。

 

   学生時代に奈良に住んでいた友人がいたが、夜道を歩いていると、ごそごそと動く物体に横切られたり、キラリと光る不気味な視線を浴びると、もうびっくりするし、朝早く起きて散歩しても、あちこちで鹿が散歩しているから、落ち着かないという趣旨のことを言っていた。人間と鹿の共存は動物愛護だし、奈良の大いなる特長ではあるものの、住民に平穏と落ち着きをもたらしているかどうかは微妙である。

 

    大阪や京都から奈良に行く場合、交通手段は関西の私鉄の王様、近鉄である。京都からはJR奈良線もあるが、近鉄の方が安くて便利。だから私も京都から奈良に行く場合は、100%近鉄近鉄京都線)を使った。大阪から奈良に行く場合も同様(近鉄奈良線)である。

 

   近鉄は、私鉄で日本一、営業キロ数が長い。大阪、京都、名古屋、伊勢志摩を結び、特急列車もばんばん走っている。紀伊半島に縦横無尽に路線を引いているイメージが有る。しかしながら関西に住まない限り、近鉄の存在は薄い。それは、プロ野球近鉄球団が消滅し、全国でPRする機会が無くなったことにも起因する。過去、中村紀洋村田兆治、梨田やブライアントなどの個性溢れる選手たちが躍動した。いてまえ打線のネーミングもあった。野武士軍団という名前が似合う破天荒な雰囲気が好きだったが、そんな大味な球団が皆無となった今では懐かしい。

 

   さて、奈良にはJFL所属の奈良クラブ。J不毛の7県のうちのひとつだが、奈良にJリーグが根付くかどうか、甚だ疑問。野球人気の強い関西では、ようやくガンバ、セレッソ着実にファンを増やしつつあるが、和歌山、奈良あたりのJクラブは苦労しそうな気がする。京都サンガ奈良クラブの古都ダービーが実現すればそれなりに盛り上がるだろうが、何年先になるだろう。奈良や和歌山の、サッカーへの取り組みの亀ような歩みを見ていると、20年たってもダービーは実現しないのではないかと感じている。

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江崎玲於奈ノーベル賞受賞者