笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字885は「湯」。長崎には銭湯が無かった

今日の漢字は「湯」。銭湯、葛根湯、湯川秀樹

 

   今日は長崎県。もう観光名所には事欠かないし、グルメも充実。九州の西端に長崎があることで、九州全体の観光の楽しさを演出している。長崎市内はコンパクトに観光名所が集中し、路面電車も発達していて観光のしやすさに拍車をかけている。

 

   さて、長崎の思い出もまた学生時代。同級生のサークル仲間の男と2人で九州旅行をした。以前も書いたが、鹿児島県で公園の駐車場に車を停めて車中泊をしようとしたら、警察から職務質問を受けた。この時の九州旅行はほとんどが車中泊の貧乏旅行で、情けない旅でもあった。鹿児島を観光したあと北上し、阿蘇車中泊したのち、長崎に入った。長崎でもどこか適当な所を見つけて車中泊する予定だったから、いわば3日連続の野宿状態。

 

    夕方、長崎市内に入ると友人が、「風呂に入りたい」と言い出した。確かに。2日間風呂に入っていないし、野宿続きだと体が臭い。早速銭湯を探すことになった。当時はガイドブックはあるものの、ネットやスマホなどない時代。銭湯を探そうにも、その場所がわかるわけもない。友人は、「大学の近くに行けば下宿が多いから、その近辺だと銭湯があるだろう。そこで地元の人に聞けばいい」と提案。地図で長崎大学を探し、その方面に車を走らせた。

 

    しかし大学のそばまで行ってはみたものの、既にあたりは暗く、人も歩いていない。銭湯の場所を聞こうにも、男二人が怪しく車で徘徊すれば、また警察に通報される。そこで2人で相談し、学生が行きそうな定食屋を探す。幸い、喫茶店兼定食屋のような店が営業中とあり、迷わず入って晩飯がてら銭湯の場所を聞くこととした。

   店はカウンターのみで、お客も我々だけ。そうか、今は春休みの時期で学生はいないのだ。

 

   カウンターには女将が一人で切り盛りしていて、我々は定食を食べたあと、おもむろにその女将に話しかけた。

「すいませんが、このへんに銭湯はありますか」

女将はびっくりしたように、「えっ。あなたたち長大生じゃなかと?」

私「長大・・ああ長崎大学。違うんです、旅行者なんです」

女将「どうりで普段見かけない顔だと思ったわ」

友人「はあ。それで私達車中泊しているんで、風呂に入りたいんです。このへんに銭湯はありませんか?」

女将「んー銭湯ねえ。このへんは学生さんが多いけれど銭湯はないわ。どこもお風呂付きの下宿が多いし、銭湯に行く人はいないのよ。そもそも長崎市内は銭湯が少ないから探すの大変よ。諦めたほうがいいわ」

 

   女将のあっさりした言葉に我々は会話に詰まり、銭湯文化のない長崎の街を憎んだのであった。

   その日はもう遅かったので仕方なく、海辺まで走り漁港を探して車中泊。さすがに3日連続の車中泊で、体の節々は痛いは、体は臭いわということで、次の日の夜は長崎市内のビジネスホテルに泊まり、4日ぶりのシャワーを浴びたのであった。

 

   さて、長崎はVファーレン長崎。3年前にJ1に参戦するも、あえなく1年で降格。ジャパネットたかたの大スポンサーの後押しを受けながら捲土重来を期す。札幌絡みで言うと、コンサドーレ札幌の元エース、都倉賢が在籍している。彼は札幌サポーターからは毀誉褒貶な評価である。札幌のJ1昇格に貢献した大いなる功労者ではあるが、2019年の大型契約でセレッソに電撃移籍し、サポーターの批判を浴びた。しかし短い選手生命のサッカー選手にとって、自分をより高く評価してくれるクラブに行くのは当然の行動であり、批判するのはお門違い。残念ながらセレッソでは思うように活躍できず、長崎に新天地を移しているが、素直に長崎で活躍してほしいと願う。

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