笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字776は「然」。偶然を必然と見なそう

今日の漢字は「然」。全然、自然、突然、雑然、天然、前田大然。

 

「人生に偶然はない」「起こることはすべて必然である」という言葉がある。

 

    実は偶然という言葉を英語にすると、「チャンス」と「アクシデント」という二つの言葉になる。一般的に「チャンス」は良い意味で使われ、「アクシデント」は悪い意味で使われる。しかし英語では全く正反対の意味を持つから不思議である。日本語では、どちらも「偶然」。つまりこの言葉には「よくも悪くも」というニュアンスが最初から込められているのである。

 

    偶然を辞書で引くと「なんの因果もなく突発的に起きた、予測不能な出来事」と出てくる。そこで「起こることはすべて必然」と考えると、因果関係のない偶然の出来事などこの世にひとつもないという解釈になる。

 

    数多くの大震災も台風も、今回のコロナウイルスの猛威も、全て必然ととらえるのは納得がいかない。しかし因果関係という点でとらえると、地球の地殻の日々の営みの結果、地震が起きることだし、コロナウイルスも、動物か何かの病原菌と人間の生活圏が近接していたからこそ感染が広がったのであり、別の視点で見れば「たまたま」ということではない。

 

    よく「偶然の出会い」というが、会うべきして会うということにもなる。お互いに家にこもっていば、偶然の出会いなど起き得ない。お互いに外に出て何らかの行動を起こしたからこそ、出会ったのだともいえる。最近は街での男女のナンパという言葉はあまり聞かないが、知人の女性は地下鉄で男性から声をかけられ、そこから発展して結婚に至った。偶然の出会いは、地下鉄で会うべくして会った必然だったのかもしれない。

 

    また、偶然をチャンスととらえるか、アクシデントと捉えるか、発想の違いもその後に影響する。コロナウイルスのまん延は飲食店を中心に大打撃を受け、ほとんどの人はアクシデントと捉えている。しかし巣籠消費で売り上げを上げた会社、例えばウーバーイーツのような宅配会社はここがチャンスとばかりに勢力を拡大している。アマゾンやニトリなども通販に力を入れ、売り上げを大きく伸ばしている。また、テレワークにより、通勤時間や残業が減って労働効率が上がったと喜ぶサラリーマンもおり、コロナウイルスのまん延をアクシデントとして後ろ向きになるのではなく、チャンスとして行動したり、ドラスティックな発想で従来のやり方を変える人が成功している。

 

   「起こることはすべて必然である」と考えると、例えば病気になったとき、それが必然だと考えれば、その後の生活習慣を改めようという気になる。偶然起きたアクシデントととらえれば、自分を戒めようとしない。電車が遅延しても必然と考えれば、それ以上怒りは起きてこない。決してアクシデントとして、他人や何かのせいにするのではなく、それが起きた背景を知ることで「変えるチャンス」にできるかどうか。非常に難しい思考回路ではあるが、その考えを訓練し習慣化されていけば、心の余裕が生まれるのではないかと思う。

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何が起きても平然としていたい