笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字492は「距」。馬と人間が長距離を競うマラソン大会がある

今日の漢字は「距」。距離しか思い浮かばない。

 

    馬と人間長距離走を競うマラソン大会がある。

 

    単純に馬と人間どちらが速いかを競う競技で、イギリスで行われているようだが、ヒトはいろいろなことを考える。短距離走では人間は馬に全くかなわないが、長距離走ならいい勝負。35キロを競い、今までは馬が勝ってきたが、最近は人間が勝つこともあるという。

 

    地球上の動植物が長い年月をかけて進化してきた歴史がある。

 

    ヒトは短距離走ではチーターなどには全くかなわず、追いつかれれば食べられてしまう。しかし時間をかけて長距離を走る持久力という能力をヒトは手に入れ進化した。そしてそれを武器に、獲物をひたすら追いかけ、長い距離を走るのに疲れ果てた動物たちを集団で追い詰め、捕獲し、食料にしてきた。

 

    素手では獰猛な動物たちに全く敵わないホモ・サピエンスが知力、火気、武器、集団での狩など必死に知恵を絞ってきて生き延びてきた先人の努力の結晶が、今の人類の繁栄につながっている。

 

    そんな進化のひとつに、人間が牛乳を飲めるようになったというのがある。

 

    本来、ミルクは赤ん坊の頃に飲み、離乳したのちはミルクを飲む必然性がない。大体、大の大人が母親や配偶者のおっぱいを吸うということはない。

 

    ラクトースという牛乳を分解する酵素がそもそも人類にはなく、後天的に備わったものだという。

 

    今でもその酵素を持たない人は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする。大人になるにつれてラクトースは必要ないから、そもそも牛乳を分解する酵素がなかったのである。

 

    ヒトが牛乳を飲めるようになったのは、野生のウシや羊を家畜化したことが大きい。ウシや羊の乳の栄養価が高いことに気づき、そこから乳を摂取するようになったことでヒトにラクトースが備わり、牛乳が飲めるようになったのである。その栄養価の高さを発見した先人はすごい。ひょっとしたら旱魃か何かで水がなく、仕方なく家畜の乳を飲み始めたのかもしれない。おそらく最初は下痢して大変だっただろう。

 

   しかし先人の発見のおかげで、今や毎日美味しい牛乳をいただけるし、チーズやヨーグルトも無くてはならない食べ物として、健康維持に役立っている。

   

    我々が今や普通に食べているウニやアワビなども、誰かが貝を割って中のものを食べ始めたのである。フロンティアスピリットでさまざまなことに挑戦してくれたからこそ、今我々は何の疑念もなくさまざまなものを食べられる恩恵にあずかっている。

 

    何千年、何万年という長い歳月を経て進化してきた人間も今後何かの耐性をみつけ、優位な固体が数多く出てくることで、進化を遂げていくかもしれない。ひょっとしたら何千年かのち、100メートルを5秒で走ったり、素潜りで長時間海中にいられたり、羽がついて飛べるヒトが出てくるかもしれない。150歳まで長生きする固体が出てくるかもしれない。

 

   「競争に勝ったものが生き残るのではない。変化に対応したものが生き残る」は、進化論を唱えたダーウィンの言葉だが、地球の寒冷化、温暖化、ウイルス、疫病、野生生物との格闘など、数々の難局を乗り切ってきた生物は環境の変化に適用してきたからこそ今がある。

 

    ウイルスにおいても、環境に適応し、動植物と共生したウイルスは生き残る。新型コロナウイルスも永久的に生き残り、変形・進化をしながらしぶとく我々と共存していくのであろう。

 

 参考文献:更科功「残酷な進化論」

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