今日の漢字526は「再」。お城の天守閣の再建について考えた
今日の漢字は「再」。再現、再生、再来、再起、再放送、再発見。
日本を代表する歴史施設、お城と天守閣。現在天守閣がないお城で、再建を希望するとしたらどこか、考えてみた。
第一位はダントツの江戸城。江戸城は、アンケートをとれば、9割以上は再建を希望する人がいるのではなかろうか。日本三大都市のうち、二大都市には大阪城、名古屋城と再建天守とはいえ、立派な天守が鎮座し、街のシンボルとなっている。江戸城があれば、東京観光にさらなる強力な名所が加わり、日本の最先端をいく東京の姿と、江戸の歴史のコラボにより魅力度が増すことは間違いないし、インバウンド効果も絶大となる。世界のトーキョーと言われながら、皇居と浅草とスカイツリーくらいしか観光名所がないのは、いかにも寂しい。
歴史のある国はどこの国にも遺産のモニュメントがある。ローマのコロッセオ、パリの凱旋門、ベルリンのブランデンブルク門、北京の紫禁城。だから、日本の歴史を代表するシンボルとなる江戸城の再建には大賛成である。
NPO法人「江戸城天守を再建する会」によると、天守閣の再建費用を350億円と弾いている。税金だけでなく、企業の協賛金やクラウドファンディングを活用すれば、実現出来そうな額ではある。
しかしながら何層もの天守閣が屹立するというのは、景観よりも、皇居の警備という問題がある。いわゆる天守閣の最上階からすぐ近くにある皇居が丸見えとなる。天皇が住む皇居のテロ対策や警備上の課題からすると、再建には相当高いハードルがあると推測する。
第二位は安土城。言わずと知れた織田信長の建築した天下人の象徴的ランドマーク。本能寺の変ののち、火を放たれて消失した悲運の城だが、再建してほしいと多くの人が願っていると思う。駅から遠くアクセスがあまり良くないというマイナス要素はあるが、もし再建されると、城郭ファン、歴女の信長ファンは大挙して訪れるのではないか。琵琶湖湖しかない地味な滋賀県を代表する存在となることは間違いない。
ただし、ここは山城なので、建築する資機材を山上に上げるのが容易ではない。運搬用道路も必要で環境破壊の懸念もあるし、建設コストも高くつく。徒歩見学者のためのリフトなども整備する必要があり、これまたなかなか再建にはハードルが高いであろう。
第三位は金沢城。私が学生時代に金沢城を訪問した時は、城内が金沢大学のキャンパスであった。今は移転してキャンパスはないが、城内がどうなっているかはわからない。天守閣は1602年に落雷で消失したとのこと。加賀100万石の大藩であり、歴史のある街として外国人の人気も高い。しかし兼六園や古い町並みだけでは観光名所としてどうも物足りない。北陸の都を守る城の存在で、魅力度はさらに増すと思われる。
あとは、特段順位はつけないが、天守閣を望む箇所は水戸城、川越城、駿府城あたりか。さらには萩城や上田城などもいい。また、実際に天守閣はなかったが、仙台城も天守閣があれば格好いい。
以上、エア天守閣を妄想してみたが、にょきにょきとビジネスビルやホテルを建てるくらいなら、天守閣くらい再建できないかと素人考えでは思うが、結局は多額の税金をかけて建設することになるから、住民のコンセンサスが必要である。知事や市長が強い気持ちを持って観光促進の切り札として推進してもらえないかと、それだけを望むのみである。