笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字450は「学」。定年後の学び直しについて考える

今日の漢字は「学」。学習、勉学、学問、留学、独学、科学、哲学、学割、学生服、大学、苦学、学歴、齊藤学。

 

    50歳を過ぎて、これまで培ってきたスキルの棚卸し以外に、まだまだ新しいスキルを手に入れたり、見聞を広めるための学び直しというものがある。

 

    環境の変化が激しく、既存の知識の陳腐化も著しい時代。働くことと学び続けること、生きることと学び続けることは同列だと思う。

 

    本当に学びが可能となるのは50代から。この年齢層は実利にとらわれず純粋に好きなテーマを学ぶことができる。若い時とは違った深い視点から物事を見つめることも可能である。

 

    定年後は学びに対して思う存分の時間が投入できる。その気になれば何時間でも勉強ができる。

    年齢にかかわらず昨日より今日の一歩の成長を目指す。その気持ちを持ち続けることで、日常が学びの舞台になる。

早いうちから学びのテーマを探り、少しずつ着手しておくことが、生涯学習を考える上ではベストである。

 

    金銭的な蓄えも必要だが、知的面でも蓄える習慣をつけておく。その知的貯金が老後の生活を支える。そして時に知的貯金からお金を引き出して、味わい深い人生を楽しむ生き方もある。

 

    最近は日本でも少しずつ学び直しの機会が増えている。

 

    実は教育機関で学び直す人の割合は日本で2%。イギリス16%、アメリカ14%、ドイツ6%。OECD平均11%にはまだ及ばないが、日本の数字は確実に上がっていくであろう。

 

    立教大学セカンドステージ大学はシニア層のための学び直しと再チャレンジのサポートを目的として発足し、受験資格は50歳以上、1年制の履修となっている。

    受講者からは「学び直したい」「忘れかけていた学びの情熱に火がついた」という声が聞かれるという。

 

    さて、学び直しに重要な視点は3つある。

    ひとつはお金。奨学金助成金は必要な要素。どれくらいのお金をかけて学ぶか、手持ち資金とも相談する。

    ふたつめは家族の支援。学び直しに家族の理解と支援が必須。幸い子育て終了世代は、誰にも迷惑をかけずに勉強できる。

    三つ目は自分自身の強い思い。勉強したい、学びたいの気持ちをどこまで持ち続けられるか。中高年になっても情熱は持ち続けられる。

 

また、 学び方にも多様性がある。

・本格的に学ぶ方法。リタイア後に改めて受験勉強を始め、大学入学を目指す。

・手軽に学ぶ方法。オープンカレッジを受講して学生時代の気分を満喫する。大学側もシニア講座を充実させれば、経営の安定化につながる。

・さらにもっと身近な存在としてカルチャーセンターで学ぶ方法。新聞社やNHKのカルチャースクールは人気が高い。

 

    実は多くの人にとって勉強にはいい思い出がない。定年になってから、わざわざ勉強をしたくないという人も多い。しかし定年後の勉強は若い頃の勉強とは全く違う。

 

    学生時代や会社員時代の勉強はちっとも楽しくなかった。それは暗記中心、詰め込みだから。勉強の目的はあくまで試験や受験のため。さらに会社に入ってからの勉強は業務上必要な資格を取得するために強いられるものが多い。その時の勉強はどれも憂鬱なものだった。

    何かを得るために仕方なく勉強せざるを得ないという行為では、面白くなるはずがない。

 

     だから勉強を手段ではなく目的にすればよい。何かの義務で取り組むわけではないから、こんなに楽しいことはない。つまらなければ止めればいいだけだ。

 

    勉強は、人間が生きていく手段としては必ずしも必要がない、人間にのみ与えられた最高の贅沢だと私は思う。その贅沢な活動を、時間をたっぷり与えられた定年後にこそ、有効活用すべきだと思うのである。

f:id:laughing-egao:20200727211234j:plain

「ヲタク学」のように○○学と言えば、一生懸命勉強しているように思える