笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字703は「偶」。偶像、いわゆるアイドルにはまる

今日の漢字は「偶」。偶数、偶然、配偶者。

 

   55歳からの「一生モノ」入門という本を読んだ。

   朝日新聞生活面での連載「ゴーゴープラス」。定年の5年前からスタートした方がいいという観点から付けられたタイトル。今は定年が65歳まで伸びたから、状況は少し変わっている。なぜこの連載企画があったのか。それは、1日9時間働くビジネスマンの生涯労働時間(22歳から65歳)が10万時間。一方寿命を85歳として、定年後の活動を12時間とした場合、約9万時間ある。つまり働いた時間と同じくらいに自由時間があるということになる。その膨大な時間をどう有意義に過ごすかを取材し、示したものがこの連載だった(まえがきより)。長寿社会を迎えて、定年後の人生は余生ではなく、新しい自分と出会う時期。何かに取り組んで充実した人生を過ごすさまざまな「挑戦モノ」が取り上げられている。

 

    39の項目が示されていて、定番ともいえる「城巡り」「お寺巡り」「ピアノを弾く」「そば打ち名人になる」「鉄路を極める」「犬を飼う」から、「マジックをマスターする」「スキーを極める」「登山で3000m峰を目指す」「湯治で元気になる」「川柳にトライする」「恋するように社交ダンスをする」「乗馬に挑戦」「病院でボランティア」「絵本の読み聞かせ」「弓道一直線」「今こそ大学に学ぶ」「こだわりの書道」など、経験者の談話を交えて、読者がトライできそうなものを指南していく。

 

   読んでいて思ったが、体を動かすスポーツ系、特に「スキー」や「弓道」「ボクシング」「乗馬」などは体力を使うから、加齢とともにしんどくなる。80歳を過ぎてのボクシングやスキーは現実的ではないから、やはり頭も使いながら静かに過ごせる趣味がいいと思った次第。

 

   そんな中で発見した面白い趣味。「アイドルを推す」。

   ジャーナリストの田原総一郎氏は、2012年からAKB48にはまっている。AKB劇場だけではなく、じゃんけん大会や姉妹グループJKT48の公演も見に行く。かなり熱中しているそうだ。

    田原氏は「人間、軽くていい。人生1回きりなら楽しんだ方がいい。面白いことをやるのに遠慮なんかいらない。行く前からつまらないのではと思わず、1回行ってみろと言いたい。人間は好奇心を持っている間が現役。年なんか関係ない」と主張する。

 

   中高年の趣味は盆栽や俳句などが相応しいという時代ではない。某大学教授は「現代は若者と大人の境目が無くなっている。今の50、60代は昭和のアイドルブームを経験しているから、人の好みは若い時代を引きずる傾向にある。シニアにはお金も時間もあるから、アイドルにはまるのは当然である」と解説する。

   ただし、はまりすぎる「アイドル依存症」への注意も必要。家族や友人との関係で安心感を築けない人は、アイドルへの応援でつかの間の喜びを得る。現実との落差が大きいほどのめりこむと警鐘を鳴らす。

   現実では、アイドルと会って会話することなどあり得ないため、現実と虚構を見極め、疑似恋愛と割り切って、ほど良い距離感を保つのがいいらしい。

 

   「娘ほどのお姉ちゃんに鼻の下を伸ばして」と家族からは批判されそうだが、見て楽しむことが趣味ととらえれば、楽しく過ごせる。いくつになってもそんな遊び心をもっていたいものである。

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奇数より偶数の方が好きだ