今日の漢字246は「藤」。佐藤一斎の学びについて考える
今日の漢字は「藤」。藤井フミヤ、佐藤優、近藤真彦、藤圭子、藤原紀香、藤谷美和子、加藤茶、藤田田
人間の脳は退化する。加齢とともに脳の機能は衰えるというが、そんなことは全く無いという。
歳をとれば脳が衰えるというのは嘘であるし、脳が老化するというのは思い込みにすぎない。
神経科学の世界で、近年の研究では歳をとっても脳の海馬の神経細胞は新たに生成されるとの研究報告がある。
だから敢えて頭を使って勉強をすると、脳は衰えず、さらに成長するのだ。
学びの欲求は人間の本能であり、その成長の欲望にブレーキをかけない取り組みが50際になってからも大切である。
「少にして学べば、壮にして成すあり。壮にして学べば、老いて衰えず。老いて学べば、死して朽ちず」と言った。
これは、「子供の時にしっかり学んでおけば、中年になった時に何事かを成し遂げることができる。中年にしてさらに学べば高齢者になっても衰えることはない。高齢者になっても学べば死んでもその人望は朽ちない。つまり一生学び続けることが大事だ」と説いている。
それで思い出すのは江戸の測量士伊能忠敬。商家の経営を息子に譲り、自ら50歳を超えてから測量と天文の勉学に励み、その後日本全国を踏破測量して「大日本沿岸與地全図」を作った。
最近では若宮正子。世界最高齢でスマホのアプリを開発し、アップルに表彰される。
彼女は銀行を定年退職後、58歳でパソコン教室に通い、パソコンの世界にのめり込む。80歳を過ぎてからプログラミング言語の学習をスタート。ついにはシニア向けスマホゲームhinadanを開発し、政府の「人生100年時代構想会議」の有識者としても活躍する。
最後に芥川賞作家若竹千佐子。専業主婦をしていたが、55歳の時に夫がなくなったことがきっかけに大学の小説講座、いわゆるカルチャーセンターに通い、主婦業の傍ら小説を執筆。2017年、当時2番目の高齢の64歳で芥川賞を受賞。受賞作品「おらおらでひとりいぐも」は50万部を突破し、蒼井優主演で映画化が決まっている。
このように、何歳になっても意欲があれば、学び続けることはできる。勉強をすれば人生の可能性を広げることもできる。
その学びにつなげるにはどうしたらいいか。そのポイントは、
- 自分は何でもできる という根拠なき自信をもつ。自分は歳でもう駄目だ。何をやってもうまくいかないと、会社人生の中で培われたネガティブ感情を1度リセットし、新たな人間に生まれ変わる。そのために勉強する。
- 人間は死ぬまで頭を良くし続けることができる。肉体は老化しても、脳は老化しないと信じる。頭を使い続ければ、認知症にならないと念じる。勉強することで認知症を打破する。
- 勉強を趣味、娯楽と考える。勉強と遊びを区別せず、勉強を遊びと考える。趣味のない人は勉強を趣味にすればよい。
- 勉強するためのスペースをもつ。それは何でもいい。興味のあることを調べることから始めてもいい。ちょっとしたことをきっかけに、旅行や美術鑑賞など、より深く調べたくなる動機につながればしめたもの。きっかけは本とインターネットで十分で、そこから視野を広げていく。会社の同僚との雑談、通勤途中の本屋、飲み屋のママとの会話。こづかいでスモールスタートができる。定年後はこづかいが減り、余裕がなくなるから、精神的、金銭的余裕があるうちにスタートする。50代に薦める理由はそこにある。50代から始める理由は、まだ社会とつながっていて情報感度が高まるから。