今日の漢字549は「教」。日本の教育は素晴らしいと思う
今日の漢字は「教」。教養、教会、教授、教室、教師、キリスト教、布教。
日本の教育レベルは常にトップクラスである。
その証拠に、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)という72ヵ国、地域における学力調査で、成績が良かった国は、シンガポール、香港、日本、韓国、フィンランド、カナダなどだとか。
このうち人口1億人を越える大国は日本だけである。
日本の強みは、全国のどこにいても、一定レベルの教育が期待できるという点がある。
つまり日本は教育に地域的な偏りがなく、良質な教育がほぼ均一的に受けられる。義務教育という仕組みの中で、国民が公平に教育を受けられるメリットがある。
アメリカのある州では、宗教上の理由から、人間は神が造ったとして、ダーウィンの進化論を否定する教育がなされるという。完全な偏向教育で、日本ならあり得ない。そんなことをしたら、文部科学省からガッツリ焼きが入る。
しかも日本人の識字率はほぼ100パーセント。
外国人が、日本のホームレスが新聞を読んでいてびっくりしたという記事を読んだことがあるが、新聞を読める日本人がほぼ100パーセントというのは凄いことである。世界には字を読めない人がたくさんいるのである。
日本の教育は、何だかんだ言いながら、常に良い方向に変えようとしている。
ゆとり教育などの迷走もあったが、文部科学省は、常に改善点を見つけ、変革しようとしている。
また、小さいうちから道徳教育がしっかりなされるので、社会秩序が自然と身に着く。
挨拶をする、先生の話をちゃんと聞く、教室を掃除する、給食を給仕するなどの教育方針は良いことである。集団生活の中で何をすべきかの習慣性が自然と養われる。
アメリカでは掃除は業者がするから、生徒は何もしないし、そのうち生徒は掃除する業者を見下すようになると聞いた。日本人が綺麗好きなのは、小さい頃から公共の場所を掃除する習慣があるからではなかろうか。
しかし日本の教育の弱い部分も当然ある。それは、
・クリティカルシンキング・・批判的思考で物事を捉え、本質に迫る力
・クリエイティブシンキング・・自由な発想で新しいものを創り出す力
・エフェクティブコミュニケーション・・相手に深く伝える力
自ら学び、柔軟に考え、問題を見つけ、人に伝える力が求められるが、国際的に見てもこの部分は弱いのではないか。
日本の教育は相変わらず記憶力を競うものが多い。暗記が得意な学生が受験を制するのは何年も変わっていない。上の3つの能力を若いうちから磨いていかないと、これから外国人や外国企業との競争には勝てない。
と、私の40年前の受験時代を振り返って印象に残っているのは、某私立大学の地理の問題を赤本(過去の出題)で勉強していた時のこと。
設問は、中華人民共和国の地図が出て来て、各省の位置と名前を答えるというもの。四川省とか、広東省など。そんな問題が出題されいたので、あの頃は真面目に勉強して記憶した。
しかし、今思えば何て無駄なことか。中国の省を覚えて良いことは何もないし、人生60年近く生きてきて、省など知らなくても不便なことは全くない。
そんなくだらない記憶力を試す設問を作る大学のアホさ加減に我々が付き合わされていたことを思うと、無性に腹が立ってきた。
流石に今はそんな受験問題はないだろが、記憶力を競う受験のあり方は軌道修正し、上の3つのメソッドを中心に深く考えさせる方向にシフトしていくべきではないかと思う。