今日の漢字449は「完」。プラモデルの完成品について考える
今日の漢字は「完」。完成、完結、完敗、完全、完治、完熟、補完。
プラモデル専門店が近くにできたので行ってみたが、多くのお客ふぁいてびっくりした。
客層は若者が8割、中高年が2割。隣にレーシングコーナーがあり、ラジコンカーでレースもできる。
店内にはガンプラ、TAMIYAの戦艦や戦闘機、戦車など、どこかで見たようなプラモデルが所狭しと並ぶ。
家族連れで、小さな子供そっちのけでプラモデルに見入るお父さんの姿は愛らしかった。
さて、私のプラモデル遍歴だが、残念ながら小学生の頃に造った記憶しかない。明確に記憶しているのは、マジンガーZのロボット。
リモコンで歩く優れもので、ホバーパイルダーという操縦飛行機をマジンガーZに頭に入れると、マジンガーZが動きだすというプラモデル。
小学生のメカ心をくすぐるもので、良くできていた。しかし歩く方は二足歩行のためガシガシとぎこちなさがあり、アニメのように飛んだり、はねたり、ロケットパンチを繰り出したりがないので、そこはちと寂しかった。
あとは戦車。40年前のプラモデルはもちろん今と同じように鑑賞用として楽しむのがほとんどだったが、私は動くプラモデルに傾倒。リモコンはワイヤレスではなく、戦車のおしりから出たケーブルにリモコンがついていて、キャタピラを揺らしながらギーコギーコと進みつつ、右に曲がったり、左に曲がったり。キャタピラの動きが愛らしくて好きであった。当然家の中で動かしてもつまらないので、砂場に持っていって、砂山を登らせたりして楽しんでいた。
友人は戦闘機マニアでゼロ戦を組み立てては、部屋の天井から糸をつけて垂らし、いかにも飛んでいるような工夫をしていた。
また別の友人は城マニアで、姫路城など、城ばかり組み立てて飾っていた。
当時は各自が好きなジャンルを集中的に組み立てるというのが流行っていたが、テレビゲームのない時代、家でひとり遊べるのは、プラモデルと相場が決まっていた。結構マニアもいたし、プラモデル屋さんは、小中学生でいつも混んでいた印象がある。
最近はあまりCMを見かけなくなったが、ディアゴステーニ社の分冊百科で、F1マシン、戦艦大和、安土城、はたまたサンダーバードの秘密基地などのプルモデルを時間をかけてゆっくり作る本格的なプラモデルが書店を賑わしていた。
戦艦大和などは確か100号くらいまであったから、1冊600円としても6万円。6万円のプラモデルもさすがに高価だが、1冊600円くらいであれば続けられるであろうとの出版社の魂胆だが、およそ2年かけて発売されるパーツを地道に組み立てていくには根気がいる。
一瞬トライしてみようかとネットで評判を見てみたが、「とても続かない」という評判が大半で、諦めた記憶がある。パーツも1号につき、エンジン1個の号だと、「金返せ」と叫びそうで、やらなくて良かったと思っている。戦艦大和などは組み立てればかなり壮観と思うが、考えて見れば我が家には置き場所がない。妻からは確実に白い目で見られるだろうから下手に手出しは禁物である。
でもどうして男はガンプラにしても、プラモデルが好きなのだろう。それは男には獲物を獲る武器を作った太古の原始人のDNAが残っているからというのが私の持論である。槍や矢尻や石を飛ばすパチンコのようなものを先人たちは知恵と工夫を凝らして作り、獲物を仕留めた。そういう生きるためのものづくりのDNAが、手作業でプラモデルを作る現代人に引き継がれているような気がする。男性のプラモデルファンが圧倒的に多いのは、武器という強さの象徴をプラモデルの完成品に求めているからだとは言いすぎだろうか。