笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字436は「失」。失言の教訓から学ぶ

今日の漢字は「失」。失意、失敗、失格、失業、消失、紛失、失神、過失。 

 

    平成の失言ランキングというのがあった。

・スタップ細胞はあります。

・不倫は文化

・別に &  ちーがーうーだーろー

 

     小保方晴子さんがスタップ細胞発見の論文をネイチャー誌に掲載し、一躍「リケジョの星」に。しかしスタップ細胞の発見は事実ではなかった。「スラップ細胞はあります」と言い切ったが、結果的に虚偽の発表となり、理化学研究所を追放されることとなった。

 

    ここから得られる教訓は、やっぱり嘘を突き通すというのは、無理があるということ。スラップ細胞は無かったのだから、どこかで訂正すべきところを、嘘をついて押しきろうとしたことである。どこかで訂正するきっかけを失うと、ずるずるいってしまい、信頼は大きく失墜してしまう。タイミングを見極めるということが大事なのだ。嘘を突き通すと必ずボロが出ることを心に留めておかねばならない。

 

   「不倫は文化」トレンディ俳優の代表、石田純一の名言。実際に言った言葉は「不倫というものが世の中の歴史上にも、いろいろずっとある。そういうことを全否定したら芸術も全否定になる」というから、マスコミは見事に曲解した。というより、この発言から「不倫は文化」を導き出した記者は凄い。コピーライティング力がある。

 

   石田氏の本意ではなく報道されたことは、日本語の難しさを感じる。逆にマスコミは石田氏の発言で「しめた」と思ったに違いない。マスコミは報道に際し、必ずキーワードを探す。石田の場合は不倫に対してどう謝罪するか、当然、「全面的に謝罪、反省」が踊るはずだったが、意に反して、不倫は否定されるべきものではないとの、開き直りともとれる発言をしたがために揚げ足をとられ、マスコミが飛びついた。

 

    ここから得られる教訓は、悪いことをした場合は素直に謝るのが常道。神妙に反省し、二度と不倫しない姿勢を誠実に見せれば、それ以上の騒ぎにはならない。成功例は三遊亭円楽。不倫を神妙に反省し全く申し開きをしなかったために、火種は小さくて済んだ。失敗例はベッキー。記者会見をしたものの、冒頭コメントを述べるだけで記者からの質問を一切受けなかった。この不誠実な対応がマスコミの反発を招き、さらに報道が大きくなり炎上した。それがきっかけとなって、人気タレントから一気に転がり落ちた。

 

    マスコミは嫌な存在だが、避けては通れない、地獄の門。結果的に「お天道様は見ている」ではないが、人の道に反することをすれば、大きなツケが回るということだ。

 

   「別に・・」お騒がせ女優、沢尻エリカの失言。天狗になると、出る杭は打たれるという、日本の独特のやっかみ世間の嵐に、見事に吹き飛ばされた。この発言以降、彼女は表舞台からほぼ消え、なかなか復活できなかった。個人的には彼女の演技は好きで、20代の輝くべき時代に女優業で活躍できなかった空白期間は惜しい限りである。

「ちーがーうーだーろー」は豊田真由子議員が秘書に吐いた失言というより暴言。その後数々のパワハラが大きく報道され、彼女はその後の選挙で落選した。

   

    ここから得る教訓は謙虚に。人間偉くなったり、人気が出たりすると、謙虚さを失い、人を敵に回すようになる。豊田氏のような国会議員が典型的。選挙の時だけ頭を垂れ、議員になると言いたい放題で高圧的になる。芸能人も人気が出て周りがちやほやすることで大きく勘違いしてしまう。沢尻も当時は飛ぶ鳥を落とす勢いで完全に天狗になっていた。

 

    「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」という名言があるが、立場が変わっても昔のままでいられる精神力をつけたいものである。その際、自分は「今はこうだ」ということを客観的に見られるかどうかにかかっている。驕っていないか、偉ぶっていないか、ぞんざいな対応をしてないか。そうした客観視する能力を身に着ける必要がある。

 

    失言を他山の石の教訓として自分の中で展開できるよう、炎上事象を自分ごととしてシミュレーションする訓練をしておけば、いざという時に役立つような気がする。

f:id:laughing-egao:20200713065214j:plain

失敗は回り道、行き止まりの道ではない(格言)