今日の漢字437は「多」。多様性について考える
今日の漢字は「多」。多種、多趣味、多感、多少、多食、多分、多品種、多部未華子。
自分の価値軸を作り上げていく上で、多様な見方で物事を見る。
一方向の見方に毒されることなく、白黒をつけずにグレーに物事を見る。
マスコミは白黒つけやすい。なぜならそれがわかりやすいから。そして黒と判断したら、徹底的に叩く。そうして読者や視聴者の共感を得ようとする。
どちらかの判断材料とするために、両論併記にすべきという意見があるが、マスコミはそんなことは全く考えていない。だから一方向の見解に多数派が偏ると、一気にそれが当たり前という世論形成がなされる。多様な意見を述べずらい雰囲気となる。
ツイッターにも要注意。他者を排除する傾向が強烈で、自分と意見の違う対象者に罵詈雑言が浴びせられる危険性がある。
なぜならそれは匿名だから。一個人として責任をもって発言していないから勝手なことが言える。
居心地のいい場所、渦中の外側に常に身を置き、外野からターゲットに向けて石を投げるかのごとく批判する。
しかも決して自分の身辺に火の粉は飛んでこない、卑怯なやり方をしている。
竹田恒泰氏や百田尚樹氏らTVにも出る著名人が自らのツイッターに批判的意見を書き込まれ、ユーチューブなどで「一度お会いして真剣に議論しましょう」と誘うが、書き込んだ張本人は決して出てくることはない。そうした透明人間がこの世にはゴマンといる。
もしくはツイッター世間の空気を読んで投稿しないと、大炎上を招く。
皆が同調する意見と反対の意見を書き込もうものなら、憤然とくってかかる。要するに暇なのだ。
そういう輩は相手にしない。
大切なのは、自分の考えや結論が正しいかどうかではなく、多様な意見や見方を認めるか、さまざまな人の立場に立って物事を見ることができるかということ。仮想、想像、空想を巡らせることで、思考のバリエーションが増えてくる。
例えば日本への移民について、真偽は別として多様な考えを抽出してみる。
・移民は犯罪が増える ・移民で日本文化が壊される
・移民で職が奪われる ・移民で日本が乗っ取られる
・移民でさらに少子化が加速する 以上がマイナス面
・移民が国際貢献として感謝される ・人的交流が国際化につながる
・日本の閉鎖的社会を変える ・働き方改革につながる ・大学のレベルが上がる
・移民の定住で税収があがる ・人口が増えて産業が活性化する 以上がプラス面
正しいかどうか、現状からはわからないが、こんな考えもあると引き出しの中を充実させれば、「この意見しかない」という硬直的な姿勢に陥るのではなく、客観的に物事を見ることができるようになると思う。
ひとつのテーマに5つくらいの、違った見方を捻り出してみることも脳のトレーニングにもなるし、おや?と思ったら、すぐに調べる動機にもつながる。調べて勉強することで、また新たな引き出しの中のノートや紙切れが増えるかもしれない。
そのようなことを繰り返していくと、自分と違った人の意見は絶対に受け入れないというような態度にはならないと思う。
日本はハイコンテクスト文化の国で、「言わなくてもわかるだろう」「空気を読め」の同調圧力が厳しく、「皆と同じ」であるべきという世間が存在する。出る杭は打たれるという独特の排他的風潮、個人の主張や尖った意見はなかなか受け入れられない土壌がある。しかしそれに怯んでいては、明るい未来はない。声を上げろとは言わないが、冷静になって考える判断力を養うためにも、いろいろな情報に接し、人と会い、多様な意見を聞き、世界にはかくも多様な意見があるということを理解した上で情報発信していくべきだと思う。