笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字1052は「隔」。遠隔読書会で考えた

今日の漢字は「隔」。隔離、隔日、隔週、隔年、隔世の感。

 

 遠隔、いわゆるリモート読書会で、本編終了後、雑談タイムで読書好きオヤジ4人の会話が始まった。(実際にあった会話)

 

Aさん(司会者)「読書会に参加する人は、基本的に本好きが多いから、日頃から読書が習慣になっている人が多い。だけど最近思うのは、本を読むことは多いが、読んで考えることが少なくなっているように思う」

Bさん「本を読んでおしまいということが多いかな。ああ面白かったと感じるだけで、それで満足していることが多い」

私「ギリシャ人など、昔の人は哲学的に考えて、よく街角で議論していた。その結末が哲学書で残っているというのもある」

Cさん「考えないのは、考える必要がないから。ネットにほとんど答えが載っているから、それを見てわかったようになるのではないかな」

Bさん「確かにネットを見て安心というのはあるね。考える必要がないから、効率的に結論が出せるというのもあるかも」

Aさん「でも、ネットに時間を奪われて、それで知った気分になるのもどうかね。考える訓練には全くならないと思うけど」

Bさん「昔の人は時間が有り余っていたからね。だいたい仕事は奴隷にさせて、自分たちは余裕をこいていたから、考えて議論する時間が腐るほどあっただろうし」

私「逆に現代の人は忙しいし、娯楽もたくさんあるから、何も思惑や議論に時間を費やす必要はない。そんなことに時間を使うのは勿体ないと思うのかも」

Aさん「私(60代)の若い頃は娯楽が限られていたから、よく喫茶店で友達とだべっていた。あの頃はテレビゲームもスマホもないし、本を読むか、友達と会って話すか、ゲーセンかパチンコくらいしかなかった。今なら一人で一週間過ごすことも全く苦痛でないし」

Cさん「最近哲学書を読むようになったけど、人生の残り時間を考えると、哲学書や古典に回帰したい気分になる。エンタメ系の本に時間がとられ、結局何も残らないのは時間の無駄のように思えてきた」

私「この読書会に持ち寄られる本は、エンタメ系より、歴史や人文系の本が多いような気がする」

Aさん「特に縛りはないが、歳をとると、やはりいろいろ考えることが多くなる。だから考えるきっかけになる本を紹介したい思いもある」

Bさん「それがスタンダードになると、若い人は読書会に入りづらいのかもしれないな」

Cさん「読書人口は確実に減ってきているしね。こうしてオヤジたちが集って本の話をするのは、貴重な存在かも。本を読んで、しかもそれについて語り合うって、考えてみたらレアで贅沢な行動かもしれない」

私「でも、この場でいろいろな本が紹介されるから、自分の視野が広がるのを実感している。結局アマゾンで検索しても、自分の興味の範囲でしかリサーチされない。だから他人から自分の全く知らない本を紹介されるのは、すごく刺激になる」

Cさん「確かに、読書会で自分のフィールドが広がるのは間違いない。玉石混淆の大量の本の中から良書を探すのは至難の技になりつつあるしね」

Aさん「最近の新書はひどいからね。読む気もしない。レベルが低いというか、短期間で突貫で作っているのがありあり。サクッと売ってサクッと忘れ去られる本の何と多いことか」

Bさん「そういう意味では、古典はすごいよね。1000年、2000年かけても残っているというのは、それだけ多くの人の人生に影響を与えたということだ」

Cさん「齋藤孝佐藤優などの本は、彼らがいなくなっても古典にもならない。村上春樹は残るだろうけど」

Aさん「結局自己啓発書は古典や先人の教えの焼き直し。現代風にわかりやすく咀嚼しているにすぎない。古典は難しいが、齋藤孝なら読めるとなれば、わかりやすく学ぼうという点では間違いないような気もする。私の若い頃はそんな入門書は無かったから、古典をじかに読むしかなかったが、今の人たちは羨ましい」

C「だけど入門書を読んでそれでわかった気分になられても困るね。そこから本当の古典に触れるというのが理想だけど、なかなかハードルは高いわな」

Aさん「リモートの制限時間が来たので、今日はこのへんで。また続きをやりましょう」

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あなたと私には心の隔たりがある