笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字は1041は「属」。貴金属の扱いは慎重に

今日の漢字は「属」。所属、付属、直属、従属、隷属、属国、帰属。

 

 テレビの経済番組で、鉱物の「金」を購入する人が増えていることを紹介していた。超低金利時代において、少しでも資産価値を高めたいと、利息のつかない現金よりも、値上がりが期待できそうな貴金属を持つ行動に走るのは、理にかなっている。

 

 テレビではまた、金を手軽に自動販売機で買えることも紹介していた。ほんの小さな豆粒ほどの金を1万円で手軽に販売。お客も1万円くらいならと、自販機で金を買う。設置した貴金属店も、お手軽投資を誘発し、需要と顧客の掘り起こしを狙ってのことだろう。「タンス預金にするくらいなら、金を持ってみたい」とプチ投資家の購買欲望をくすぐる戦略があるかもしれない。

 

 そこでふと思った。高齢者が金を買うのはいいのだが、そんな豆粒大の金をたくさん買ってみたところで、買ったことを忘れはしないか。紙幣ならば長年見慣れているから間違いなく現金と認識できるが、豆粒の金だと、タンスの引き出しにしまい込んで忘れたり、キーホルダーや文房具類とごっちゃになり、そのうちどこに行ったかわからなくなると思う。

なぜこの話をするかというと、以下の事例を聞いたから。

 

 知人の母親が老人ホームに入ることになり、引っ越しをした。そこで家財道具類をすべて捨てるのは忍びないとして、「貴金属引き取ります」のリサイクル店に来てもらい、売れそうな品を引き取ってもらうことに。息子の知人は当日、母親の家に少し遅れて行ったところ、すでにリサイクル店の男2人が来ていた。しかも居間で母親と1人の男が1対1で話し込んでいる間、他の男は別の部屋を物色していたらしい。息子がその男に問いただすと「買い取れる品物がないか探していた」と言い訳をした。「実は探すふりをして、現金や貴金属を物色していたのだろう。奴ら半分泥棒だぜ」と言っていた。確かに最近は価値が高いと思われる貴金属を安い値段で買いたたき、別の所で高く売る業者が暗躍している話を聞いたことがある。だから、せっかく数万円出して買った金の豆粒なのに、いつの間にか所有者はその価値を忘れ、引っ越しとともに業者に二束三文で持っていかれるのを危惧しているのである。

 

 人間どれだけ生きるかわからないし、認知症のリスクもある。「将来値上がりする」と欲を出して金を買い、そのうち忘れてしまうリスクを考えれば、やはり現金の貯金が最も安全、安心なのだと思わずにはいられない。

 

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北方領土は日本に帰属する