笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字1042は「停」。ロシアVSウクライナの停戦はほど遠い

今日の漢字は「停」。停止、停滞、停車、停学、停留所。

 

 ロシアがウクライナに武力侵攻し、世界から大批判を浴びている。プーチンはおそらく短期決戦で停戦に持ち込み、ウクライナの武力を無力化する算段だったろう。しかし予想外のウクライナの強い抵抗とゼレンスキー大統領のしたたかな情報戦に翻弄されるほか、全世界を敵に回し、兵士の士気も落ち気味。追い詰められたプーチンが核爆弾に手をかけるのではとの憶測も囁かれている。民主化されていないロシアでは、プーチンの独裁はゆるがないだろうが、プーチンはここまで戦争が長期化するとは思わなかったであろう。

 

 この現象を見るにつけ、実はロシアは死んでいなかったことを改めて感じさせられた。ソビエト連邦が崩壊し、共産主義が終わりを告げた段階で、多くの人は「西側諸国が勝った」と思った。しかしソ連の崩壊は同国が勝手にこけただけで、決して西側に負けたわけではないことを今回誇示したかったのではないか。要するにプーチンは「強いロシア」を改めて全世界に誇示し、自らの政権をさらに盤石にしようと意図したとも考えられる。元々ウクライナは独立前はソ連の領土。「昔の三男坊、四男坊が親に歯向かうのか」とロシアも過去の栄光にすがり、プーチンは武力制圧で何とかなるだろうと冷戦時代のソ連の感覚を持ち続けているのかもしれない。

 

 日米欧諸国はロシアに対し極端な経済制裁を行い、ロシア経済にダメージを与え、ウクライナからの撤退を求めていくが、功を奏するかどうかは不透明である。プーチンEU諸国がロシアの天然ガス資源に依存せざるを得ないことを折込み済みであるから、EU経済制裁は諸刃の剣でもある。長期化すると困るのはEU側でもある。もしくはこれを機に「ロシアを完全にやっつける」と息巻くタカ派の指導者が出てくるかもしれない。

 

 冷戦時代の経済制裁と今回で大きく違うのは、当時は世界の経済規模はそれほど大きくなく、経済圏も完全に東西が分断されていたから、効果は無かった。しかし今はグローバルに経済規模が広がっている。経済制裁はロシア国内に大きなダメージを与えるほか、国民の不満が一気にプーチン政権に向かう可能性も孕む。一方で原油価格の高騰などで世界中の国民の生活が物価高で苦しむことにもなりかねない。

 

 結局この戦争の勝者は誰でもなく、両国や日米欧諸国が疲弊して終わるだけという懸念もある。そんな中、中国だけは姑息に動き、疲弊した各国の間隙を縫って漁夫の利を得る強かさも想定しておかねばならない。混沌な世界情勢はまさに予断を許さない情勢である。

 

 こんなロシアの自分勝手ないい加減さを見せつけられると、北方領土は永遠に日本には帰ってこないとため息をつく関係者も数多くいると私は推測している。

 

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停車場という言葉も死語になった