笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字1027は「挙」。ロシアの暴挙から日本の国防を考える

今日の漢字は「挙」。快挙、挙動、選挙、検挙、大挙。

 

 ロシアのウクライナ侵攻の暴挙が続く。侵攻・侵略という点で捉えると、日本は長い歴史において侵略された戦争は一度しかない。それは言わずと知れた元寇。しかし古代において日本は、外国の侵略に怯えていたことはあまり知られていない。

 

 発端は、西暦663年、日本軍が中国の唐、朝鮮半島新羅連合軍に白村江の戦いで完敗し、国力の違いをまざまざと見せつけられたことから。当時の唐帝国は強大で、朝鮮半島西側の百済を攻め込む。その際、百済は日本に救援を求めてきた。それに応えるため日本は4万人の援軍を送るものの、唐・新羅連合軍に完膚なきまでに叩きのめされ、百済は滅び、ヤマト朝廷はパニックに陥る。

 

 そして、朝廷は考える。「次は、いつ唐帝国が日本に侵略してくるかわからない。だから守りを固めよう」。朝廷は、九州に政治拠点と大陸との窓口になる太宰府を置く。さらに博多に水城や大野城のほか九州、四国、中国に山城をいくつも築いた。先日「ブラタモリ〜高松篇」を見ていたら、源平合戦で有名な屋島にも城が築かれ、唐の侵略に備えていたと紹介されていた。1400年も前の石垣が残っているのもすごいが、いかに当時の朝廷が唐の侵略に怯えていたかがわかる。城には「防人」という兵士を置き、また、有事の際は狼煙を使って通信する制度も整えた。

 ちなみにこの狼煙は、気象条件が良ければ、時速100キロで到達したようで、かつて対馬から太宰府まで行われた狼煙の実験では、30分ほどで到達したという。ただし視認距離は20キロほどであり、対馬〜九州間は50キロあるから狼煙は届かず、船で連絡したそうだ。

 

 当時の防人は「沿岸警備隊員」として、唐が攻めてきた時に備えていつでも狼煙を上げられるように準備していたであろう。前線基地となる対馬の防人は常に緊張を強いられたことは想像に難くない。

 

 唐が勢いに任せて日本を侵略、征服していたら、日本の歴史は180度変わっていた。たまたま唐と新羅がその後激しく争い、日本への圧力が低下する僥倖に恵まれる。そしてそのまま日本を侵略することなく、唐は滅びる。めでたしめでたし。

 

 なぜこの話を書いたかというと、「国の力を見誤ってはいけない」と考えたから。唐は当時の日本のはるか上をいく先進国家だった。中国4000年の歴史を長い目で見れば、中国の方が遥かに進んでいるし、その根本は今も変わらない。その歴史背景を見逃し、今の中国は日本より遅れているなどと見ようものなら、大きなしっぺ返しを受ける。確かに日清戦争日中戦争では、上から目線の日本が中国をやっつけたが、それは単なる一時期の国力の違い。1000年単位で歴史を見れば、日本は中国には遥かに敵わないことを認識しておいた方がいい。中国人も中華思想で「世界の中心」の思想はDNAとして引き継がれているはず。そこを無視してはいけないと思う。

 

 ロシアの国力を見誤って今の戦争が行われているとするならば、中国の国力も見誤らないことが肝心。習近平日本に対して暴挙を起こすシミュレーションを今からしておいた方が間違いないと思うのである。

 

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