笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字984は「騰」。新築住宅の価格は高騰している

今日の漢字は「騰」。沸騰、暴騰、急騰。

 

 最近、家のリフォームの関係で住宅メーカーと話をする機会が多い。

 昨今の住宅事情についての話に及んだ。

 

 メーカー担当者「最近は札幌市内の新築のマンション分譲が好調で、売り出してもすぐに完売というマンションも多いようです」

私「というと、どういうことですか」

メ「札幌市内は、一戸建ての大規模な開発地域がもうないんです。一戸建てが欲しくても、中古住宅に住むか、都心の歯抜けの空き地を見つけてそこに家を建てるかくらいしかなくなっています。一戸建ての建築資材や大工さんの人件費高騰など、一戸建ての建設費も上がっています。一方、マンションは交通の便が比較的いいのと、一戸建てほど資機材高騰分が分譲価格に反映されないので、割安というのもあります」

私「新築の一戸建てがこれからどんどん減るってことですか」

メ「一戸建て需要は間違いなく減るでしょうね。高齢者が一戸建てを売却して都心のマンションに移ったり、死亡して空き家になったあとの中古住宅を購入する一定の需要はあるでしょうが、得てしてそういう所は交通の便が悪いので、買い手は少ないですね」

私「新築の戸建て住宅が減るということは、大工さんも大変なのでは?」

メ「そうなんです。ただでさえ、大工は3K職場で若者に毛嫌いされる上に、需要が減るとなると、大工さんの仕事が減るのは確実です。なので、我々住宅メーカーも、これからは、一戸建ての高齢化に伴うリフォームに力を入れているんです」

私「小樽や江別(札幌の隣町)はまだまだ土地があると思うのですが」

メ「たしかにテレワークの普及などで、郊外に住むという需要はあるのですが、さっきお話ししたよう、新築一戸建ての価格が高騰しているので、「それなら交通の便がいいマンションにしようか」ってなるのです」

 

 新築住宅も、今や一戸建てからマンションに需要がシフトしているのだ。在宅勤務の常態化により会社から離れた家での仕事も広がる中ではあるが、もはや開発地域が限られていることや、給料も上がらないデフレの経済状況の中、新築住宅の価格が高騰すると、手が出ないというのもあるかもしれない。

 

 住宅地が大規模に開発されて、そこに一戸建てがたくさん建つと、同世代の人々が移住してくるから、子育てがしやすいメリットがある。しかし元々住宅地の空き地に住宅を建てる場合は、そこの地域コミュニティに溶け込めるかという問題や、周りが高齢者ばかりということにもなりかねず、購入を躊躇するのもうなずける。

 

 人間の衣食住は必須の営みであり、必ずどこかには住むのだろうが、札幌のような地方の中核都市でも、もはや一戸建ては高嶺の花となっているのかもしれない。

 

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株価は急騰してほしい