笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字973は「載」。千載一遇のチャンスをものにした錦鯉

今日の漢字は「載」。搭載、満載、積載、掲載。連載、記載。

 

 TBS「情熱大陸」でM-1グランプリで優勝した錦鯉が取り上げられていた。50歳の長谷川氏と43歳の渡辺氏の合計93歳と史上最高齢の受賞は、何かと話題になり、多くのメディアで取り上げられている。情熱大陸でもM-1決勝前から彼らを取材し、優勝後にシンデレラボーイとなった波乱の日々を取り上げていた。

 

 今回錦鯉の優勝が大きな感動を呼んだ要因のひとつが、「諦めない」気持ち。50歳まで鳴かず飛ばずだった芸人が、「いつかはお笑いで有名になりたい」と諦めずに地道に取り組んできたことが、多くの人が忘れた「諦めない気持ち」を思い起こさせ、共感を呼んだ。

 

 番組のインタビューで長谷川氏はこう語る。「免許もない、資格もない、出世をすることももうない。だけどお笑いの世界には、わずかでもあるが光が見える。ほんの小さな光かもしれないが、芸能界の場合はそれが見えるから頑張れる」。

 芸能界という特殊な世界だからこう言えるのかもしれないが、ほんの小さな希望の光を見つめ、ずっと諦めずに頑張ったことに神様は千載一遇のチャンスを与え、そしてそのチャンスを二人はものにした。ほとんどの人は若い頃にやりたいことがあったとしても、仕事や家族やお金のことを考え、諦めた人がほとんどだろう。それを「好きなこと」を諦めずに続け、結果を出した苦労人長谷川氏の姿に、多くの人は涙し、共鳴したのだ。

 

 長谷川氏は札幌市出身で札幌よしもとの1期生。同期にはタカアンドトシがいる。今回錦鯉のM-1優勝を何よりも喜んでいたのがタカトシ。決して順風満帆ではなかった長谷川氏の成功に、同期として苦楽を分かち合った分、喜びもひとしおだったと思う。北海道ローカルで冠番組を持つタカトシが、その喜びを感慨深く語っていたのが印象的だった。

 

 そんな北海道出身の長谷川氏だけに、ローカル番組ではひっぱりだこ。特に地元の北海道テレビHTB)は錦鯉がM-1で優勝し、大注目銘柄となったことに便乗した。長谷川氏がまだ駆け出しで、当時HTBの番組レポーターで出ていた映像を引張り出してきたり、20年ほど前、一旗あげようと上京したものの、売れずに悲嘆の日々を過ごす長谷川氏の密着番組を再放送したり、息子がM-1で優勝した翌日に、母親を朝の情報番組に生出演させたりと、やりたい放題。同局にしてみたら、過去の長谷川氏にまつわる映像はいわば「お宝コンテンツ」。そして過去の長谷川氏との深いつながりを元に、今後錦鯉をキラーコンテンツにしていく算段であろう。M-1バブルの人気が落ち着いたあと、HTBでは錦鯉の出演機会を確実に増やしていくことだろう。間違いない。

 

 それにしても6017組ものエントリーを勝ち抜いてM-1グランプリの王者になるのは凄いこと。ただ、裏を返せば、売れない時代の錦鯉のように、一筋の希望の光を見出して日々奮闘する芸人もこれだけいるということ。お笑いの群雄割拠に勝利し、人気を得るのは本当に大変なことなのだと、改めて芸能界・お笑い界の競争の激しさを実感している。

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