笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字971は「臨」。読書で臨機応変に固定観念をアップデートしていこう

今日の漢字は「臨」。臨時、臨月、臨場感、臨戦態勢、臨海、君臨。

 

人はなぜ学ぶのか。の観点で読書の効用を考える。

  あるアンケート調査では、ひと月に5冊以上読書をする人はおよそ20%と5人にひとりだとか。もっと多いと思っていた。読書の虫の私としては、信じられない数字ではあるが、世の中本好きが多いとは限らないし、現代人は何かと忙しいから、読書に時間を割く人も少ないのであろう。

 

 斎藤孝氏は読書の効用を「本を読んで学ぶことは、優れた人の話を聞いて自分を修正していくこと。本を通じて学び、内側から湧き出る喜びの感覚を経験していれば、人生に対して捨てばちにらないで済む。社会から冷たくされても、自分の内部に火をもっていれば、冷え切ることはない。本を読むということは、「新しい世界を知りたい」「優れた人の話を聞きたい」と学ぶ意欲の表れであり、自分自身を修正してもっと良くしていきたいという気持ちの表れでもある」と述べている。

 

 本を読むことで「そういう考えもあるのだ」「今まで考えていたことが間違っていた」という自己否定を含めて自己を拡大したり深化させたりできる。誰からも学ぶことで、自分は単なる自分という存在ではなく、他者の総体と化すことが可能となる。

 

  要するに固定観念臨機応変にアップデートしていく。それには読書が最適なツールなのである。

 

  曽野綾子氏と金美鈴氏との対談本「この世の偽善」のなかで、アフリカで支援活動を進める曽野氏は、「貧困を目視できるカギはふたつあり、ひとつは裸足で歩くかどうか、もうひとつは町に乞食がいるかどいうかだ。そのような人がいる国、社会はかなり貧しいし、端的にその日食べるものがないということ。日本がもしその日に食べるものにも事欠くような状況になったら、手放すのは真っ先に携帯電話だろう。日本は今、「貧困だ」「格差がある」と言っているが、世界の動きを見れば、全く当てはまらない。日本人は己がいかに恵まれているかを知らない。本当の貧しさ、困難を今の日本人は知らないから、「希望がない」と言う。そして簡単に弱音を吐く。貧しさを知らないから、豊かさが分からない。戦後「いかにして日本人は現在の豊かさを達したか」の先人の苦労を忘れ、豊かさに至るための忍耐を忘れてしまった。貧しさの記憶を失い、豊かさが当たり前となった社会で、日本人は衰弱している」と指摘する。

 

 日本の貧困・格差は徐々に途上国レベルに近づいていくのかと思っていたが、真逆である。途上国の貧困からしてみれば、日本の貧困は屁みたいなもの。戦後の貧しさを克服し、他国からも羨望の目で見られる日本を誇りに思わず、「ただ貧しくなっていく」と乱暴に批判する。途上国には明日の食糧さえない貧困が厳然としてあり、その事実を見ずして日本が貧困だ、格差だと叫ぶことほどばかげたことはないのかもしれない。

 そういう「日本の貧困は大変だ」という世間の常識を覆す意見に触れることで、自分の常識をアップデートしていかねばならないと思う。そのためにはやはり読書は欠かせないのだ。

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神は降臨するか