笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字959は「淡」。淡々とした日々が実は幸せな日々

今日の漢字は「淡」。淡白、濃淡、淡水、冷淡、淡い恋。

 

   とある平日、定期的にランチをとるいつもの会社のメンバー(私と女性2人)3人で忘年会ランチをした。

    雑談のなかで出た話は、今年の自分の3大ニュース。

私「今年の自分の3大ニュースは何があった?」

A子「何もないわ。とにかく仕事に忙殺された1年。それしか思い浮かばない」

B子「私も全く。家族旅行したくても、コロナの中じゃあ旅行に行く気にもならないわよね。オミクロン株も不気味だし」

A子「昔なら1年に1回くらいは海外旅行に行っていたのにね。今、海外に行くなどと言おうものなら、職場のメンバーから白い目で見られるのは必至。ぶっち切って行ったとしても、2週間は会社に来るなと言われそう。嫌な世の中よね」

私「近場の温泉とかでリフレッシュなら、行きやすいんじゃない」

A子「何かにつけて面倒だわ。日々仕事に追われていると、どこに行くのも面倒よね」

私「じゃあひとつもこれはというニュースはないの?」

A子「んー全く思い出せず。淡々と1年が終わったという感じ」

私「B子は?」

B子「息子がまだ小学生だから、旅行にせがまれるけど、遠出する気分にはならないわね。コロナが落ち着けばどこか遠いところに行きたいけど。そういう○○さん(私のこと)の今年のニュースは?」

私「この前、初めてリアル読書会に参加したんだ。刺激があってとても面白かったから、今年1番のニュースはそれかな」

B子「みんな非活動的なのに、積極的ですね。新しいことに挑戦するって大事ですよね。私も見習わなくちゃ」

 

    とりとめもない雑談だったが、1年の思い出で印象に残るのは非日常を体験すること。旅は非日常経験の最たるものだが、これだけコロナが流行れば、自発的に旅行に行く動機が起きない。

 

   私は北海道に住んでいながら、JR東日本の「大人の休日クラブカード」を持っている。なぜかと言えばこのカードには、年3回、16000円くらい払えば4日間、JR東日本の新幹線、在来線が乗り放題という特典があり、過去何回かその特典を利用して東北地方を旅行した。しかしコロナになってから、全くその恩恵にあずかっていない。行きたいという欲求はあるものの、やはりまだコロナが怖い。心理的に旅行どころではないのである。

 

   だからもしコロナが完全に撲滅されたら(人間に耐性がついたなら)、満を持して旅行に行くだろう。今は火山の地下に「旅行に行きたい欲望」マグマを貯めている。おそらくマグマを貯めている人はたくさんいるだろうから、アフターコロナでは国内外で旅行需要が一気に吹き出すのではないかと思っている。


   しかし、別の見方もある。著述家の小林正観氏(故人)は「ありがとうの魔法」の本の中で、「願いや望みや思いが叶うことではなく、生きていること自体、そして何もないこと、何も起きずに平穏無事でいることが幸せの本質である」と言っている。我々は、さきほどの雑談のように、旅行だ何だと非日常ばかりを追い求めて、それが充実した生活だと思いがちだが、実は災害や病気や事故のない日常こそが「どれだけ喜ぶべき幸せなこと」なのかもしれない。

    そう考えると、先の女性2人が言った「何もなく淡々と過ぎる日常」は当たり前の幸せなのだ。「何もないこと」を否定するのではなく、日々穏やかで、平穏で静かに淡々と流れていく「日常」こそが幸せの本質と考えると、内面が充実した日々につながるのだと思う。逆に今のコロナの世界は、人々が「平穏がいかに幸せか」に気づくいいチャンスなのかもしれない。

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淡路島を観光したことはない