笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字958は「泥」。泥酔には注意しよう

今日の漢字は「泥」。泥棒、泥縄、汚泥、雲泥の差。

 

伊藤詩織著「Black Box」を読む。

    ご存知の方も多いと思うが、この本は、ジャーナリストを目指した彼女が就職の相談で出会ったTBSワシントン支局長の山口氏からレイプされた事件の顛末を告白したもの。著書は、刑事事件として山口氏が不起訴となったところで終わっている。しかし現在は民事係争中で、東京地裁の1審判決では、彼女が勝訴。山口氏に330万円の損害賠償請求がなされ、現在東京高裁に控訴中である。

 

   詳細は割愛するが、山口氏の方は、出来心とは言え、2回しか会ったことのない女性をホテルに連れ込んで事に及ぶのは、どう考えても分が悪い。彼は「合意があった」と主張するが、彼女は泥酔して記憶を無くしており、誰も証明できない。この証明できないことが裁判の争点となるため、難しい判断を迫られる。

 

   伊藤氏の方は、実名、顔を晒してまで訴えた行動力は、世の中のレイプ被害に遭った女性たちの希望となった。泣き寝入りせず、示談にも応じず、毅然と法の裁きを求めた一連の行動は、半端な気持ちでは成し遂げられないほど芯の強さを感じる。

 

   しかし改めて思うに、泥酔して記憶を無くすことは危ういことだと感じる。私の会社の後輩も飲み会でよく記憶を無くし、その場で上司批判などを平気で行い、翌日「お前昨日とんでもないことを言っていたよ」と指摘しても、「えー。全く覚えていません」としらっとしていてびっくりした。また、別の知人女性は泥酔して前後不覚に陥り、問いかけても全くの無反応に。我々が無理やりタクシーにねじ込んで、運転手に住所を告げて強制送還。翌日、「私どうやって帰ったんでしょうね」とお礼も言わずに聞かれた日には、開いた口がふさがらなかった。たまたま何も起きずによかったが、最悪の場合、犯罪に巻き込まれる可能性だってある。

 

    伊藤氏も不覚にも泥酔してしまったことがこの悲劇を招いた。自書では「自分はお酒が強く、記憶を無くしたことはない。だからあの日、山口氏はお酒に薬を盛った」と書いているが、真偽は別にしても結局お酒に飲まれて悲劇に遭った。

 

   就職相談がなぜこのような結果になったかわからないが、伊藤氏、山口氏とも社会から好奇な目で見られるばかりでなく、その後の活動に多大な影響を及ぼすほど代償は大きかった。たった1夜の行動が、二人の人生を変え、さらに一生拭いきれない傷を負い続けることになる。記憶に新しいところでは、新井浩文氏が強制性交の罪で逮捕されるなど、改めて性にまつわる事件は重い。今回、民事裁判としての高等裁判所でどのような判決が出るのか。立場の弱い女性を守るという観点と、レイプ犯罪の抑止という点からの判決を期待したいところである。

f:id:laughing-egao:20211228204317j:plain

つまらないことに拘泥しないようにしたい