笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字607は「式」。北海道の結婚式は特殊?

 今日の漢字は「式」。数式、方式、式場、洋式、卒業式、紫式部

 

   最近は地味婚やリゾート婚が主流であることや、コロナの影響で結婚式自体を控える動きが多い。

 

   新郎新婦とも一生に一度の経験であり、潜在的なニーズは高いものの、人が集うことによる3密を懸念する向きもあり、なかなか難しい。

 

    一般的な結婚式は神前や教会で式を挙げて、そのあと披露宴となる。

 

   本州での披露宴は招待制とし、新郎新婦がお客さまを招待して、ゲストをもてなすという発想のもと開催されるが、北海道はなぜか会費制で行われる。会費制とは、学校の同窓会や会社の同期会・OB会、謝恩会や忘年会と同じように、会費を支払って披露宴に参加するもの。

 

   完全会費制なので、「お祝いにいくら包むか」といって悩むことがない。結婚式の招待状にも、会費○○円とはっきり書かれているから、○○円だけを持っていけば良い。特に親しい人や親戚などは別にご祝儀を包む場合もあるが、知人・友人のレベルでは会費のみ払うというのが慣例である。

 

   私が自身の結婚式を行った平成4年の頃の会費は、安くて9000円、高くて1万円であった。地方都市の結婚式では8000円というのもあった。最近の会費はかなり値上がりして1万8千円だとか。世の中デフレでそれほど物価は上がっていないが、披露宴の会費の値段はほぼ倍になっている。

 

    もうひとつ特長的な北海道の披露宴は、参加人数が多いこと。

 

   最近でこそ100人程度と聞くが、以前は多かった。特に地方に行くと、友人だけでなく、職場の上司や同僚、独身寮の同居人や取引先の関係者など、多くの人に声がかけられるから、人数が膨れ上がる。私が25年前に某地方都市で、入社同期が会費制で披露宴を行った際の人数は約300人。通常ひとテーブルに10人が座るとしても30テーブル。披露宴というよりは、宴会である。新郎新婦の着席するひな壇は、遥か遠くで、雲に霞んで見えないのではと思うくらい距離がある。

 

    会費制なので、料理はフルコースではなく、大皿料理を回転テーブルで取り分けるシステム。よく忘年会や同窓会で見られるパターン。今はコロナ禍で取り分けるシステムは難しいとは思うので、このスタイルの披露宴は自粛傾向だと思う。

 

    また、昔は余興も凄かった。特に会社の同僚が余興に登場すると、かくし芸のオンパレード。

    ビール瓶の一気飲み、裸おどり、集団でのパフォーマンス、替え歌など、まさに宴会芸。新郎新婦そっちのけで盛り上がる。

  

    ひな壇にいる新郎には出席者が代わる代わるお酌に来て、新郎はそのたびにビールを飲まされてヘロヘロに。ひどいときには一気飲みも強要され、おめでたい席とはいえ、やりすぎの面があったことも否めない。

   また、最後は新郎をみんなで胴上げするという行為も普通に見られた。

 

    あの頃の披露宴はふたりの門出をみんなで明るく盛り上げるという宴会的趣向が強かった。今の披露宴は特にカラオケも友人代表の挨拶もないという場合が多く、淡々と歓談するようだ。その分、新郎新婦と写真を一緒に撮影する時間がふんだんに取られているという。

 

   いずれにしても、皆に祝福される幸せを感じながら一生の思い出に残る一大イベントとして、挙式と披露宴は、とても重要な役割を果たすと思う。

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格式ばった会食は嫌いだ