笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字943は「増」。意欲増進物、ドーパミンが少なくても良い

今日の漢字は「増」。増加、増産、急増、倍増。

 

中野信子「不倫」より。

日本人は同調しやすい遺伝子を持つという。

    実は日本を含む東アジアの人々のうち70%以上はドーパミンが減りやすいタイプの遺伝子を持ち、ドーパミンが減りにくいタイプの遺伝子の持ち主は30%以下とのこと。ドーパミンは幸せホルモンと呼ばれ、分泌されることでポジティブになったり、やる気や集中力アップにつながる意欲増進物である。

 

    この結果から、ドーパミンが分泌されて、「自らが道を切り開いてやろう」ではなく、「他の人に決めてもらった方が楽だ」との同調圧力に染まる傾向が日本人の場合、強いのだ。

    世界的には、なぜかヨーロッパだけがドーパミンが残りやすい遺伝子を持つ人々が多数派である。だからヨーロッパは、同調圧力に従っていては、生存に不利な状況、もしくは自分で判断しながら動植物を探す方が生存しやすい環境だった可能性がある。そのそも狩猟中心の世界であったことや、中世ヨーロッパでは数多くの冒険家を産み、植民地から帝国主義へと発展したのは、「自分でルールを決めたい」との志向性と関係がある。

 

    一方、アジアの儒教国は、支配するよりも「支配を受け入れやすい人々」の方が適応的になる。これは、こうしたホルモンの影響があるとの著者の推測である。

 

     典型的な比較で言えば、EUから離脱したイギリスや、独立まであと一歩までいったスコットランドのように「自分たちで国民投票をして決める」というベクトルが働く傾向が強いことや、グレタさんのように、自分たちで地球温暖化を何とかしようと動くためにドーパミンが分泌する。一方、国が何とかしてくれるとお上に頼り切りの日本人や、習近平一党独裁政治に淡々と従う中国などは、ドーパミンが分泌せずに「支配を受け入れる」傾向にあるのかもしれない(香港の独立運動は少し違うが)

 

    アジアは稲作文化で、人々が共同して作業をしていかないと生存できないという状況もあるが、日本では「寄らば大樹の陰」のように、終身雇用で安穏と過ごす人が多い一方で、アメリカのように、続々とベンチャー企業が世界を席巻するのも、自分たちで何とかするというポジティブ遺伝子のもと、ドーパミンがどんどん分泌されるのではなかろうか。日本はあいも変わらず「将来が不安だ」「年金が不安だ」「認知症が怖い」の不安ビジネスのオンパレード。この裏には、「人が(国が)何とかしてくれるだろう」という他人任せの姿勢が根本にあるのだと思う。

 

    だから言いたいことは、日本人はそもそもマイナス思考に陥りやすいという前提を理解した上で、「同調圧力などクソくらえ」と、人の意見に同調するのではなく、それとは逆張りの発想を常に持っておくこと。不安ビジネスについては、「またアホなこと言っているわ」くらいに、少し引いた目線で考える。そう考えることで、一方方向に染まらない「思考を重ねた自分」が出来上がるのではないかと思う。

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