笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字840は「生」。生卵の卵かけご飯はやめられない

今日の漢字は「生」。生活、生存、野生、生命、生産、発生、生身、生意気、生田斗真

 

   生卵について。以前「卵」をテーマに書いたことがあるが、切り口を変えて、生卵について考える。

 

    日本人の大好きな朝ごはんのひとつ、生卵の卵かけご飯。おそらくこのようにして生卵を食べるのは、世界広しといえども日本人だけではないだろうか。

 

    そもそも生で卵を食べるということは、それだけ新鮮な卵でなければならないし、生産や流通過程でも衛生管理がしっかりしていないと、お腹を壊す人々が続出してしまう。

 

    漫画家のヤマザキマリポルトガルに住んでいたとき、卵を買ってきて、卵かけご飯で食べたところ、あっという間に腹痛を起こし脂汗たらたらになった。すぐさま病院に駆け込むと、病院の先生は「生卵を食べるって、あなたは死ぬ気だったのか」と呆れられたという。その卵にはサルモネラ菌が普通に繁殖するらしく、その国では、卵は焼くか煮るのが当たり前。そうでもしないと怖くて食べられないという。

 

    また、外国人が日本に来てびっくりするのは、日本人が生卵を平気で食べるシーン。食感も信じられないが、「卵には火を通す」が常識の国からすると、びっくりされてもしょうがないと思う。繰り返しになるが、それだけ日本の企業の食品衛生管理能力は素晴らしいと舌を巻いてしまう。逆にもし店頭の卵にサルモネラ菌でも出そうものなら、日本をゆるがす大ニュースとなって、その企業は何日も営業停止に追い込まれるだろう。

 

    ところで、生卵を卵かけご飯として食べられる相棒の存在に醤油がある。この醤油があるのとないのとでは、卵かけご飯のクオリティが著しく変わってくる。醤油がない卵かけご飯は、わさびの無い刺身と一緒。醤油に代わる調味料は、せいぜい「めんつゆ」くらいか。ウスターソースはあり得ないし、ケチャップ、マヨネーズは邪道。塩や味の素をかけて食べる方法もあるが、味気ない。色彩的にも、黄色に黒い液体が混ざって少し赤茶色くなる姿がいいというのもある。

    生卵と醤油のコラボレーションは、ジャイアント馬場ジャンボ鶴田のタッグのように、世界最強タッグ決定リーグ戦を勝ち上がったキングオブチャンピオンと言ってよい。

 

    卵かけご飯の歴史は、ネットを見ると、1877年頃、従軍記者として活躍した岸田吟香という人物が最初に食べたとの記録が残る。想像するに、たまたまご飯に卵をかけて食べたのだろうが、それが日本国民の朝ごはんとしてここまで定着するとは、天国にいる本人も思っていないのではなかろうか。

 

    個人的に贅沢かつ至福の朝ごはんは、生卵に納豆を混ぜて食べる「納豆卵かけご飯」。元来の貧乏性な身としては、生卵に納豆を入れるのは贅沢な食べ方であり、普段は滅多にしない。(温泉旅館の朝ごはんには大抵生卵と納豆が付くから、鬼の首をとったように食べまくるが)たまに思い立ったように「今日は少し贅沢をして納豆卵かけご飯にしよう」という瞬間があるが、そんな時は至福のプチ贅沢感を味わう小市民なのである。

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生来貧乏性な自分が憎い