笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字832は「立」。ファイヤーで経済的自立を果たそう

今日の漢字は「立」。立案、独立、立体、立地、国立、立候補、立命館大学

 

   欧米の若者たちにファイヤームーブメントが起きているという。

Financial、Independence、Retire、Earlyの頭文字をとったもの。

   日本語で訳せば、「経済的自立」「早期引退」となる。

 

   つまり朝晩までせっせと働き、ストレスにさらされながら生きるライフスタイルを捨て、倹約しながら貯蓄率を高め、リタイア後は投資を活用して悠々自適に暮らす生き方のこと。

 

    現在、アメリカや欧州では、そんな生活の実現を目指している若者が多いという。なかには年収300万円で米と豆だけで質素な生活をし、収入の70%を貯金する人がいれば、年収400万円で毎日節約し、投資をうまく活用することで早期引退に成功した例もあるという。

 

    このようなムーブメントが先進国で盛んになっている背景には、格差拡大や雇用不安がある。AIなどの導入でいつクビを切られるかわからない点や、働いても楽にならない格差社会に嫌気をさして、自分らしい生き方を望む傾向が強くなっているようだ。

 

   彼らは、生活費をなるべく少なくして日々コツコツと貯金し、少しでも利息の高い口座を探して貯金したり、銀行のキャンペーンを逃さずに利息を貯めたり、並々ならぬ努力をしている。買い物もさまざまなポイントや割引を活用し、細かい積み上げでお金を貯める。

 

   大胆かつ高額な投資をするのではなく、マメに工夫をすることで、やがてあまり遊びにも出かけずに、さらにお金が溜まる好循環につなげている。

 

   さらに貯蓄にあたって重視しているのが、住居費を削減すること。そのために親の家に同居する人も少なくない。要するに子供部屋おじさん、子供部屋おばさんを実践している。

   ファイヤームーブメントの実践にあたっては、目的意識をもって、あえて子供部屋に住んでいる人を指す場合が多い。

 

    日本にもファイヤームーブメントの時代がくるのか。日本は終身雇用が未だ根強く残っており、雇用不安は少ないように見えるが、雇用の流動性は加速するであろう。コロナ禍のように、いつクビになるかわからないのは、日本も同様である。加えて、働き方改革は進んでいるとはいえ、まだまだ労働状況の厳しさや時間外労働の多さは際立っており、ストレスにさらされる労働者も多い。欧米と同じく若い時に節制をし、将来のためにお金をため、リタイア後の資金を確保したうえで40代以降は気ままで自由に生きる価値観をよしとする若者が出てくるかもしれない。

 

    日本の場合は、年金にばかり目がいくが、投資を生活費の資金として活用する発想がまだまだ少ない。若い頃から将来の目標のために消費を抑制し、コツコツ貯金してうまく投資に回して生活費を稼ぐ成功例が出てくれば、そのような「悠々自適ライフスタイル」が主流となるであろう。「ゴリゴリ働く必要がない」とか、「出世などで身を削るより、自分らしい生き方をしたい」「消費には興味がない。好きなことをしていれば幸せ」を望む「さとり世代」が幅を利かせれば、経済成長という言葉は死語になるだろう。

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スイスは永世中立国