笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字654は「指」。定年夫への指南は

今日の漢字は「指」。指導、指示、指名、指揮者、指宿。

 

   私は定年まで間があるが、定年オヤジのしつけ方(小川有里)で、妻の立場から、定年夫をどう躾けるかの指南を説いている。

 

    この本が書かれたのが、2007年。当時はまだ60歳定年が普通で、年金も60歳から支給された時代。この本に登場する定年夫も60歳で定年し、暇を持て余す風景が展開される。考えてみれば、2007年の男性の平均寿命が79歳で2019年は81歳で2歳上がった。年金も今は65歳からしか支給されないから、様変わりしていることは間違いない。おそらく12年後の2033年には年金は70歳、平均寿命も83歳の可能性があり、いよいよ70歳、75歳まで働く時代が来るだろう。

 

    この本のメインテーマは自立夫を育てること。今まで仕事一辺倒に生きてきた男性は、定年と同時に右往左往するとともに、妻にとっては厄介な存在に成り下がる。そうならないために、15条の指南を示している。

第一条・・お昼は夫が自分で作る。夫の定年で真っ先に困るのがお昼の悩み。夫から「昼はまだか」とのプレッシャーをかわすべく、まずは「自分の昼ご飯は自分で作る。そして食器を洗う」ことから始める。

第二条・・お通夜晩ご飯にするなかれ。毎日二人で顔を合わせると、ご飯時に会話がなくなる。そうならないよう、積極的に会話をする。

第三条・・「感じない」夫に家事をさせる。なかなか夫は家事をしないもの。ましてや「手伝おうか」との申し出は一生あり得ない。何もせずにずっとテレビを見る夫に対し、家事をさせる。その方法は、二者択一を迫ること。「掃除機かけとお皿洗いはどちらがいい」。そこで皿洗いを選んだ夫に手解きをする。

第四条・・「二人の世界」で四六時中顔を突き合わせるのは不仲のもと。居間でテレビを見る夫に、「2階の子供部屋で自由にしてもらう」。いわゆる「上様」化すること。もしくは外出してもらうこと。

第五条・・夫婦別寝のすすめ。お互いのいびきから回避し、安眠するのがストレス発散の秘訣。

第六条・・夫のポチ化を食い止める。「どこに行く」「俺も行く」と妻にべったりの犬にならないよう、自立させる。ポチ化で何もできない夫は、妻に先立たれると悲惨な運命となる。

第七条・・定年後のあり余る時間を過ごすためには、趣味なしではもたない。無趣味の夫をやる気にさせる。趣味をやるようになれば、外出もするし、生き生きとしてくる。

第八条・・2ケ月に1回、ふたりででかける。たまに刺激をもたらす。

第九条・・病気になったときに向け、いたわり不足に気を付ける。

第十条・・褒め言葉を惜しまない。褒めることで夫は俄然やる気になる。

第十一条・・夫の地域デビューを応援する。趣味と同様、外出の理由になるし、人間関係を通じた社会の刺激もある。

第十二条・・週一でも夫に仕事をさせる。家を定期的に留守にする夫の行動は妻にとってオアシス。夫にしても、身だしなみに気を使うし、適度の緊張もあるから、「仕事は顔を引き締める」という。時給はたとえ安くても、働く行為が大事なのである。

十三条・・夫は夫、妻は妻。干渉は控えめに。

第十四条・・ドーデモ夫にするなかれ。1日中パジャマ生活のようなだらしない恰好にさせない。

第十五条・・いざという時にマイ通帳を持つ

 

   著者は、夫が「今日は何をしようかなあ」という悠々自適の生活で妻と仲良くやっていくのは難しいと断罪する。そんなのんびりな夫と接する妻はストレスをため続け、家庭内がぎくしゃくする。そうならないために、定年後の夫婦に大切な努力は、2点あるという。

ひとつは、「減らせるストレスを減らす努力」。ひとつは「夫婦で向き合って楽しく暮らす努力」だという。

その努力を助けるヒントがこの十五条だ。「これが正しい定年後の夫」というのはないが、少しは正しいといえる定年後の夫なのだ。

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指差し呼称は大事な安全確認行為