笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字796は「上」。デパートの屋上で見たものは

今日の漢字は「上」。上級、上達、献上、上京、上意下達、上野公園。

    

   屋上といえば、定番は高校の校舎で繰り広げられる男女交際。青春映画のワンシーンとして、よく屋上が出てくる。現実では危機管理上の問題から施錠して上がれない学校がほとんどだろうから、映画のようなシーンが展開することは少ない。

   

    屋上を舞台としたバラエティーといえば、TBS「学校へ行こう」。V6が司会となり、学校を舞台にさまざまなことにチャレンジするが、その看板コーナーが、屋上で行われる告白タイム。校庭に集った生徒に向かって大声で叫ぶ。それは好きな男子や女子への告白だったり、自分の行いを懺悔したり反省したり、誰にも言っていなかったことを暴露したり。高校生たちが素直で赤裸々に語る姿は、爽やかな印象であった。なかでも、屋上の女子から愛の告白を受けた張本人の男子はカメラの前で照れ臭いしぐさがまた可愛いらしいし、その男子を冷やかす他の生徒の姿も微笑ましい。まさに「ザ・青春」。 どの時代も青春時代の恋は甘い香りと守ってあげたくなるような弱弱しさがコーディネートされていて、テレビを見るお茶の間の視聴者は、「この恋が成就すればいいのに」と温かく見守るような、そんな番組だった。

 

     屋上の思い出をもうひとつ。夏の暑いお盆時期。当時勤めていた地方勤務から実家のある札幌に帰省し、札幌駅近辺に一人で遊びに行った。たまたまとあるデパートに行くと、アナウンスで、本日、そのデパートの屋上でアイドルコンサートがあるとのアナウンスがあった。入場無料。「おーラッキー覗いてみよう」と助平心を出して、そのデパートの屋上に向かった。

 

    昭和から平成初期にかけて、デパートは余暇を過ごす一大アミューズメントパークだった。屋上には100円で動くさまざまな遊具があり、天気のいい日には小さい子供連れのファミリーがその遊具で遊ぶシーンが見られた。遊園地以外で電子遊具で遊ぶにはデパートの屋上しかなかったから、休日は多くのファミリーで賑わっていた。そんな遊具が鎮座する一角にステージが設けられ、そこでアイドルの歌謡ショーが開かれたのだ。

 

    私は期待して屋上に行った。お客さんが多いかと思いきや、それほどいるわけではなかった。せいぜい100人くらいか。夏の暑い時期というのもあり、炎天下で待つのはつらい。ほどなく司会者の前振りがあり、アイドルが登場した。

    はて、そのアイドルとは・・まだ10代の「酒井法子」であった。白いフリフリのドレスに身を包み、ステージで軽快に踊りながら歌う。親衛隊がいるわけでもなく、かけ声がかかるわけでもなく、淡々とステージは進んでいった。当時はベストテン番組にも顔を出す正統派アイドルとして売り出してはいたが、まさかデパートの屋上で営業をしているとは思わなかった。私は何だか得をした気分だった。小一時間ほどでオンステージ終了。颯爽と登場し、颯爽と歌い去っていった彼女の歌声がなかなか耳から離れなかった。

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