笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字499は「歳」。万歳三唱を最近見かけない

今日の漢字は「歳」。歳月、歳時記、歳末、千歳市

 

    万歳三唱のシーンは最近見かけなくなった。

 

    大概見られるのは、選挙でのシーン。無事当選を果たした候補者が支援者とともに当選を祝う行為。選挙対策委員長や幹事長が音頭をとり「○○君の当選を祝して万歳三唱をご唱和願います。バンザーイ・・」と、皆が両手を一斉に挙げてお祝いする。

 

    いつもこのシーンをみるたびに、厳しい選挙戦を戦った候補者の安堵の表情に癒されるが、その裏で巨額のお金が動いている事件などを聞かされると、候補者も「使ったお金が無駄にならなくて済んだ」と安堵しているような気がしてならない。

 

    日本の伝統的なお祝いの行動といえるだろう。

 

   最近ではすっかり結婚式に呼ばれることはなくなったが、結婚式でも万歳三唱は良く見られる。この場合も最後に祝辞を任された偉い人が、「○○くん、△△さん、そして両家のご繁栄を祝して・・」などのかけ声とともに、万歳三唱をする。しかし、そんな派手な締めかたは次第に敬遠されるようになり、今は乾杯で締めることが多くなったと聞いたことがある。

 

    野球場で見られるのは、ホームランや勝利の瞬間。タイガースの勝利の瞬間、六甲おろしを歌い終わったあとになされる万歳三唱は、タイガースファンお約束の行動。12球団髄一の人気応援歌だけに、敗れたチームのファンはこれを聞かされるとがっかり感満載であろう。

 

    なぜかはわからないが、衆議院議員の解散。不信任案の可決にしろ、解散権の発動にしろ、国会で衆議院の解散が決まった途端、出席議員から万歳三唱が沸き起こる。これは何をお祝いしているのか全く意味がわからない。今までの議員の苦労をねぎらうのか、来る選挙戦を勝ち抜き、また国会に戻ってこようと約束しあうのか、共同体の意識なのかもしれない。

 

    最後に思い出すのは、「スター誕生」。将来のアイドルを生み出すオーディション番組があった。一定の点数を取って合格すると、司会の萩本欽一が将来のアイドルを前に「おめでとう。バンザーイ」と一唱するものだった。しかし中にはどの挑戦者も合格しない日もあり、そういう時欽ちゃんは「バンザーイ、ナシよ」と言って残念がるシーンがあった。オーディションの壁の厚さを思い知るとともに、欽ちゃんなりの配慮があったのだと思う。

 

    万歳三唱は個人的にはスマートさに欠けるし、何となく軍国的な匂いがして好きになれない。個人的には昭和遺産のひとつだと思う。おそらくそういうシーンに出くわしたとしても一人冷静になって、仕方なく万歳に付き合うということになるだろうと今から思い始めている。

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