今日の漢字638は「理」。バレンタインデーは義理チョコばかり
今日の漢字は「理」。理解、地理、理科、心理、理由、理髪、向井理。
バレンタインデーの思い出について、中年男子が酒を飲みながら雑談を始めた。
A「バレンタインデーが近いけど、貰うあてはある?」
B「カミさんは一応義理チョコくれるけどね。だけどホワイトデーはその何倍ものスイーツをおごらされるから、全く割にあわないけどね」
C「うちなんかチョコのチョの字もないね。娘からも完全無視。そのくせペットの犬にチョコをあげているから、俺は犬以下か」
A「職場の義理チョコもいつも間にか無くなったな。昔は職場の女性陣がお金を出し合って、皆に義理チョコを配っていたけど、今はそんなイベントもなし。保険会社のおばちゃんからチョコをもらっていた時代が懐かしいわ」
C「確かに。生命保険のおばちゃんは、職場にずかずか入ってきて、机の上に飴やらガムやら柿の種やらいろいろなものを置いていった。だから会社に入ってバレンタインデーでチョコゼロという年は実質無かったもんな」
B「やれ個人情報保護だコンプライアンスだテロ対策だとかで、保険の外交員は職場に入ってこられなくなったから、そういう意味では貴重な義理チョコサーバーだったな」
A「スナックも最近行かないしね。馴染みのスナックだと、わざとバレンタインデーの日に行って、ママからチョコをもらうという姑息なことをしていた。保険のおばちゃんと違ってママのチョコは少しお高いチョコだったから、有難かったな。カミさんにも「職場の女性からもらった」と嘘をついたりして」
C「その分ボトルを入れさせられたから、結局は高くついたんだろ」
A「コロナ禍ですっかりスナックも行かなくなったし、そういう義理チョコの贈答文化が下火になっていくと、チョコレート業界も大変ではないのかね」
B「そもそもバレンタインデーはお菓子業界の陰謀だからね。それに踊らされた日本人も悪いのだろうが、男女の恋愛手段に使ったところが、ヒットの秘訣だったんだろう」
C「うちらが高校生の頃は、チョコがもらえるかもらえないかが大注目の的。まだ義理チョコができる前だから、「愛の告白にチョコを活用」みたいな煽り方を世間はしていたな。だから今ほどチョコは売れていなくて、チョコを買える女子は恋愛成就の可否は別にしても、ハッピーな人たちだったんだ」
B「もしバレンタインデーの始まりが、「男から女に」だったら絶対に流行らなかったと思う。「女から男に」と告白パターンを逆にしたことが、女子もチョコというツールを使い、勇気をもって告白ができたのだと思う」
A「ただ好きですと告白されるよりはいいよな。あの頃はまだ男尊女卑で、今ほど女性は強くなかったからね。ある年の金曜日がバレンタインデーの日があって、当時流行っていたドリカムの曲「決戦は金曜日」にかこつけて、バレンタインデーが恋の勝敗を決めるイベントのように位置づけていた時代もあったし」
B「おまえ、高校生の頃、チョコもらったの?」
A「当たり前じゃん。教室では渡されないから、生物教室に呼び出されたよ。あの頃はラインなんてないから、何かのタイミングでメモを渡された。あの頃は情報の伝達手段も大変だった」
C今なら、「〇時にマックで。チョコ渡すから」とラインすればいいし。楽な時代だ。
B「告白もラインでするのかね。好きですって、うちらの時代じゃ恋文だけど」
C「恋文って古いねー。今ならラブレターも死語だよね。ラインでちゃっちゃと文章打って絵文字で締めて。なんか味気ないねー」
A「最近の若い者はそんなもん。バレンタインデーのチョコだって女友達同士が贈りあう時代。お互いの友達としての存在を認め合う儀式と化しているのさ」
B「男同士がやったらキモイけどな。結局ここにいるオヤジたちは、身内以外は義理チョコすらも貰えずに、悶々と1日が終わるのか」
C「毎年この時期にチョコのCMで流れる赤いドレスを着たタレントのおねーちゃん方を見て癒されるとしますか」
A「鼻の下を伸ばしつつね」。