笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字409は「力」。雑談力について考える

今日の漢字は「力」。強力、協力、極力、力学、強制力、武力、火力、魅力、戦力、力走、力説、長州力

 

    雑談力を付けるという見方がある。これについて、茂木健一郎が「最高の雑談力」で面白いことを言っていた。

 

    AIは大量のデータを瞬時に処理し、正確に記憶する能力があるから、人間ははるかに及ばない。人間がトンボだとするならばAIは戦闘機だ。AIが人間の能力を超えることを「シンギュラリティ」というが、すでの将棋やチェスではAIが人間を凌駕している。しかしAIには絶対に雑談はできない。なぜなら人間の会話は、全く予測不可能な高度な技術の積み重ねだからである。

   

     要するに、雑談の凄さは自分が話したあとに相手が何を言うかのパターンは無限にあること。人はAIにできない凄いことを日々やっているのだから、もっと余裕をもって雑談を楽しめと、雑談力を磨くことを提唱する。

 

    確かに、忙しいからと、雑談を日々疎かにしているケースは多い。時間がない、つまらない、メールやラインを打つのに忙しいなど、無駄にしゃべることよりも、ひたすらスマホに向かって指を動かす行為に集中するあまり、雑談する機会が少なくなっているような気がする。

 

    携帯のなかった青春時代を過ごした50代のおっさんだからかなのか、最近は公共スペースやショッピングセンターのフードコート、マクドナルドなどに行っても、高校生が大人しく映る。よくよく観察すると、向かい合っているのに、お互いがスマホとにらめっこし、会話がない。自分のライン友達にラインでもしているのか、せっかく一緒にいるのだから会話をすればいいと思うのは、昭和世代のおっさんだけなのか。

    昔の女子高生はうるさかった。携帯電話などないから、プリクラで撮影した写真をみんなで持ち寄って品評していたり、雑誌を見ながらアイドルやファッションの話をワイワイと声高らかに話していたものだ。「うっせー」と思ったことが何度あったことか。雑談をせずに静かにスマホを見つめる今の高校生を見ていると、逆に元気だった昔の女子高生が懐かしく思えてくる。

 

   ところで、雑談をすると何がいか。

・雑談によっていい情報がもたらされる。情報のギブアンドテイクができる。

・同じ時間と空間を共有するから、共感が生まれる。目の前に相手がいるから、表情や言動などから感情を読み取れる。

・自分を発見する。ふとした会話がきっかけで、脳の記憶の海馬から眠っていた記憶が引き出されることがある。(茂木氏はこれを「玉手箱を開ける」と表現)

     この経験で言えば、ふとした小学生の頃の通学の話になり、超片田舎に住んでいた私は、「そういえば俺は馬橇で学校に行ったことがある」と告白したら大うけ。滅多にないその経験が私の脳の玉手箱から飛び出てきて、以来、この話は私の鉄板ネタになっている。

・相手の意外な一面を知る。ツッパリだと思っていたが、そうではなかったと、見方が変わったり、思い込みやレッテルを覆されることがある。

 

    私の提唱は、メールも便利だが、たまには電話をかけよう。そして雑談しよう。たまに電話で連絡をとると、冒頭、他愛もない雑談をすることが多い。それは日本の文化だと信じている。もっと他愛もない雑談をして、脳の機能を活性化させたり、楽しい毎日を送ったり、人間関係を円滑にする手段としたい。

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脚力はある方だ