笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字784は「控」。相続税の基礎控除は要注意

今日の漢字は「控」。控除、控え室。

 

   2日前に相続の話をしたが、その第二弾。

 

    高齢者の金融資産は6000憶円という試算がある。

    これら高齢者の資産は死亡と同時に相続という形で子供に引き継がれる。そこで問題となるのが相続税。2015年に相続税法が改正され、基礎控除の額が一気に4割引き上げられた。それにより今まで無縁だった相続税が途端に身近になった。

 

    法改正の前は、基礎控除5000万円+法定相続人1人あたり1000万円だった。法定相続人が妻+2人の子どもであれば、総額8000万円の基礎控除が認められた。親の相続財産が不動産と預貯金を合わせて6000万円や7000万円であれば相続税を1円も支払うことなく遺産を分割することができた。

 

   ところが法改正で基礎控除は、3000万円+法定相続人1人あたり600万円。妻+子供2人で総額4800万円しか基礎控除が認められなくなった。これにより、今まで相続税に無縁だった人々に税負担という現実が突き付けられた。確かに火の車である国の財政からすると、少しでも税を取りたい気持ちはよくわかる。それはそれで仕方のないことだが、ちょっとした一等地の親の住宅を相続する人などは、基礎控除を上回ることは十分予想されるし、子供が一人や妻のみの場合などは基礎控除額が少ないから注意が必要である。

 

   「相続地獄」の著者森永卓郎氏が、自身の親の介護、相続について赤裸々に吐露している。

 

    彼が苦労したのが、亡くなった父親の銀行口座がわからなかったこと。彼は父親宛に来ていた郵便物を虱潰しにあたり、銀行を特定し、口座に預貯金がないかどうかを調べた。遺書が無かったことから、どこに財産があるかわからないなか、地道に調べ上げ、金融機関に問い合わせをしていく。とある銀行に口座を確認しに行くと、父親の戸籍謄本を取り寄せるよう依頼を受ける。これは隠し子がいないかどうか確認するためには必要なのだとか。相続人が揃っていないと、口座の有無をお知らせすることができないという。こういうルールは実際にその場にならないとわからない。意外と隠し子がいるような場合は、相続人としての権利があるから注意が必要なようである。

 

    遺言でどこどこ銀行に口座があるなどと記載していれば探す手間が省けるから良いが、何も手掛かりがない場合は、探し出せずに結果として国庫に納入ということも有りえる。相続税の申告は10ヶ月以内に済まさねばならないから、遺産がたくさんある人はその確定が時間との闘いになる。

 

   あと、森永氏が警告するのが介護費用。親の介護が必要な場合、親の財産から切り崩して使う分にはいいが、立て替え払いをした場合などは、記録を残しておかないと、遺産分割の際にもめる。自分から立て替えてもその記録を残しておけば、相続時に証拠になる。しかし実際親の介護でてんやわんやの中で、細かい記録を残せるか疑問である。来るべき争続に備えて準備する気は起きないだろうから難しい。遺産分割の時に親族でもめた瞬間、「記録しておけば良かった」とならないよう、これまた注意が必要である。

 

    人生100歳時代を迎え、どれだけお金がかかるか不安な中、貯め込む高齢者が増えると、遺産相続の際に分割や納税でもめるのは必死。そうならないよう、気が付いた時に対応できるよう、今から勉強をしておくことが肝要である。

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