笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字714は「議」。2世議員は大変だ

今日の漢字は「議」。討議、論議、議会、異議、抗議、議決。

   2世議員2世タレントの2世という言葉をよく聞く。

    2世議員の場合、地盤、看板、カバンと言われるように、親の遺産を継げば当選にぐっと近づく。支持者も引退した親の元議員にお世話になっているであろうし、その息子とあれば信頼感がある。小泉進次郎小渕優子などはその典型である。しかし2世議員がみんな優秀で、親の後を引き継ぐ素質があるかどうかは別問題である。

 

   そんな経験について。とある案件で、某地方の衆議院議員の事務所を訪問したことがあった。

  現役の国会議員には、地元には必ず拠点となる事務所があるり、1~2名の秘書が常駐している。

   その議員事務所には、議員の息子が秘書をやっていた。当選回数は数回を誇る議員でもあり、おそらくその議員が引退すれば、息子が継ぐということが真っ先に思い浮かぶ。

   事務所に上役と訪問すると、当の議員は東京にいるから、息子の秘書が対応に出てきた。その息子とは初対面であったが、話し方がとにかく横柄。秘書は黒子役となって議員を立て、スムーズな政治を導くことなのだろうが、いかにも親の威光を借りて威張るタイプ。まさに虎の威を借りる狐。ひと通り挨拶し、雑談をし、仕事の話をしてその事務所を辞したが、もし彼が2世議員として親の地盤を引き継いで選挙に出たとしても、私は絶対彼には投票しないだろうと確信が持てた。

 

    あれから10数年経つが、その間、件の衆議院議員は選挙に落ちそのまま引退。そのあとの選挙で息子が立候補をするか、様子を見守っているが、全くその気配はない。そうこうするうちに別の地域の有力者が立候補し、当選。元議員の息子は親の地盤を継ぐことなく終わっているようだ。必ずしも2世が引き継いで政治家になるというものではなく、本人の資質や、周りの有力者が「彼なら(政治家として)間違いない」という太鼓判を得ないことには、父親の地盤を引き継ぐのは難しいのだと悟った。

 

   もうひとつの事例は、これまた有名な参議院議員のパーティでのこと。彼の横には道議会議員の息子がいた。あちこち父子で名刺を配り、父親の参議院議員は、後継に息子を指名するかの振る舞いをしていた。息子も支援者に愛想をふりまき、後継を任せてほしいという素振りを見せていた。

 

   しかし数か月後、その目論見は暗転。息子は酒気帯び運転で警察につかまる失態を演じてしまった。その段階で彼は道議会議員を辞職し、参議院議員の芽は絶たれてしまった。2世議員として地盤を引き継げなかったのである。

 

   順調に親の地盤を引き継ぐ人もいれば、道半ばで挫折する人ありで人生悲喜こもごも。親が議員というだけで、やりたくもない政治の仕事をせざるを得ない人もいるだろうから、ある意味2世は親と比較され可愛そうな存在なのかもしれない。

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会議は踊る。されど進まず