笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字723は「素」。脱炭素社会の道のりは遠い

今日の漢字は「素」。素養、質素、素朴、簡素、大林素子。

 

    カーボンニュートラル、いわゆる脱炭素の報道が多い。菅総理はこの政策を中枢に掲げ、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて猛然とアピールしている。携帯電話料金の引き下げに続き、自らが国内外に向けて発信した菅版の二の矢対策。米バイデン政権が脱地球温暖化に超積極的な姿勢もあり、日米のみならず、今や世界的に脱炭素の大合唱である。30年後のことを言うなら、少子化対策社会保障、国の財政健全化の方が先だと思うが、誰も反対しそうにない耳障りのいい政策を敢えて掲げているような気がする。

 

   言わずもがなの脱炭素は、二酸化炭素の排出をとにかく減らし、一方で水素やアンモニアなど、燃焼しても二酸化炭素を排出しない燃料を活用しようとの趣旨である。何かと悪役の二酸化炭素。地球環境を破壊させる元凶としてとにかくこれを減らそうとの魂胆だが、今ひとつ地球温暖化がどれくらい進んでいるのか、その影響がどう地球に及んでいるかの現実味がない。北極の氷が溶けてシロクマの生息領域が減っているとか、氷河が溶けて近くの村が水害で大きな被害を受けているとか、穀倉地帯が砂漠化するとか、そのような現象が報道されてはいるが、日本での日々の生活には目に見えて影響がないから厄介である。コロナ禍のように、感染したとか入院患者が増えるという現象を見ると真剣に考えるが、具体的な被害が見えないため、どうしても地球温暖化は理念先行の気がするし、雲をつかむような話に見えてしまう。しかし100年、200年先の地球を見据えて今から対策を立てることは間違っていないし、それが我々の世代の責務なのかもしれない。

 

   さて、脱炭素で一番手掛けやすいのは、再生可能エネルギーの普及と電気自動車の普及であろう。電気自動車については、充電ステーションのインフラ整備と急速充電器の開発が肝。5分で済むガソリンスタンドでの補給に変わる充電ステーションでの急速充電の技術革新が進まないと、なかなか電気自動車は普及しない。今は充電するのに1時間くらいかかるから、時間コストの効率化は必至である。

 

   エネルギーという点では、再生可能エネルギーの普及は当然として、原子力の活用ができるかどうかも肝。電気自動車の普及の前提には、クリーンなエネルギーをどれだけ導入できるかにかかっている。石炭火力に代替するためには、原子力の活用に国民のコンセンサスが得られるかがポイントだろう。福島第一原子力発電所の処理が一向に進まないのに加え、汚染水の問題など原子力アレルギーは根強く、安全に原子力発電所を動かすためには国民や地域の合意が必須。ましてや原子力の新設は大きなハードルがあるだろう。しかも石炭や天然ガス発電に変わるエネルギー問題にはあまり触れずに脱炭素が議論されているところにも危うさを感じる。脱炭素社会実現のためには、大胆なエネルギー改革が必要であることをさまざまな業界が認識していかねばならないと思う。

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人間は素直が一番