笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字615は「動」。電気自動車の普及は進むのか

 今日の漢字は「動」。動物、移動、運動、活動、騒動、動乱。

 

    電気自動車の普及は今後進むのであろうか。

    カーボンニュートラルを2050年までに実現すると菅総理大臣は明らかにした。

    カーボンニュートラルとは、地球上の炭素(カーボン)の総量に変動をきたさない、CO2の排出と吸収がプラスマイナスゼロになるエネルギー利用のあり方やシステムの社会実装を指す概念である。

 

    そのためには再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電所の稼働、一方で老朽化した火力発電所の廃止などのエネルギー政策が必要である。

 

    あとは今後間違いなく注目を浴びるのが、電気自動車。ガソリン車による排気ガスはCO2の排出増の原因であるから、これを減らすためには、電気自動車の普及が大前提となる。

 

   しかし、どうも日本は、電気自動車の普及に及び腰に映る。そこには業界の雄、トヨタ自動車が全く積極的でないという姿勢に垣間見ることができる。それは、国内の自動車産業の保護と大きく重なる。

 

   ガソリン車の製造には何千種類もの部品を何万個も必要とし、それらの製造には国内中小の多くの企業が関わっている。自動車産業のすそ野は非常に大きいのである。しかし電気自動車はそもそも部品が少ない。将来的には日立やパナソニックなどの電機メーカーも自動車製造に参入するのではと言われているくらい、部品が少なくて済む。

 

    トヨタが電気自動車の製造に本腰を上げないのは、こうした国内の部品工場を潰すわけにはいかないという事情がある。だからハイブリッド車という中途半端な車を作り、さも燃費がいいようなPRを行っているが、世界の潮流の電気自動車戦略に完全に乗り遅れる心配がある。ハイブリッド車は、他国からは見向きもされない、ガラパゴスな車になる可能性がある。

 

   日産が当時社長のカルロス・ゴーンの大号令の元、電気自動車リーフを販売し、電気自動車を大いにPRしていた。しかしゴーン氏が失脚して日本人社長に替わって以降、すっかり大人しくなった。ある雑誌の記事によると、自動車業界各社はガリバーのトヨタの動向を常に気にしており、トヨタに先駆けて電気自動車の普及などを進めようものなら、トヨタから大きな圧力がかかると記事にしていた。ゴーン氏はそうした日本特有のしがらみを知らないから、トヨタは関係ないとして、どんどんリーフをPRしたそうである。

 

    動きの鈍い日本とは逆に、中国が電気自動車の開発に熱心である。中国は自動車メーカーは日本や欧米に比べ、競争力、知名度ともない。しかし中国市場は莫大。「将来の世界の自動車産業の覇権を握るのは俺らだ」とばかりに電気自動車の開発を進める。

 

    この動きは、将来的に大きなうねりとなって世界を激震させそうな気がする。

 

    中国が開発した電気自動車の技術が世界的な特許となり、日本のメーカーはその特許を応用して電気自動車を製造することになれば、中国企業に首ねっこを押さえられることになるし、値段もかなり高くなる危険性もある。

 

    自動運転技術などにお金をかけるのではなく、大局を見極める必要がある。

    いつまでもガソリン車にこだわるのではなく、将来の自動車のあり方を俯瞰し、早いうちから手を打っておかないと、日本の自動車産業の大衰退を招くと危惧している。

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気が動転することは多々ある