今日の漢字670は「承」。エッセイの肝は起承転結
今日の漢字は「承」。了承、拝承、承知、承認、継承。
一昨日書いた「読ませるブログ」(樋口裕一)の続き。
「面白い文章の条件とは何か」。それは、
①読み手が知らない情報が含まれている。
②読み手が知らない体験が含まれている。
③誰もが知っている有名人が書いている。
3つめはどだい無理な話であり、1と2をいかに情報発信するかである。私はよく、探検家の角幡唯介の探検記やエッセイを読むが、彼の作品には北極圏探検という、読み手の知らない体験と、北極圏という、現地の人以外ほぼ足を踏み入れない、読み手の知らない情報がリアルな文章で表現されている。だから読み応えがある。上記1、2の部分を十分に満たしており、さらに著述家としての3の要素もあるから、一定のファンに受け入れられている。なかなか上記の3つの条件をクリアするのは難しいが、素人ブロガーでは少しでも近づくように精進したい。
「文章は起承転結で構成する」
ご説ごもっとも。樋口氏は、起承転結を次のように言い換える。
「1予告、2エピソード、3展開、4まとめ」で展開する。
2のエピソードはひとつのエピソードを中心に述べ、あれもこれもと盛り込まない。
3の展開は、エピソードで書いた内容から印象や教訓をできるだけ深く鋭く書く。ひとつのことを詳しく書く方が、深みが出てよい。
起承転結の事例としてアニメ「ドラえもん」がある。大体が下記にあるような展開で進む。ちなみに漫画にもサスペンスドラマにも起承転結の型があるという。
2承・・のび太が道具をフリーに使う
3転・・しかしのび太はドラえもんの忠告を無視した道具の使い方をするため大混乱に
4結・・なんとか解決され、一件落着
このように型にあてはめた作り方が、スムーズで確実なのである。
これはエッセイの基本なのだ。だから起承転結を意識して書くには、とにかく書いて慣れるしかない。
小気味良い文章のためのアドバイス
・一文を短くする
・どんな文末も多用するとつまらない。「思う」「感じた」は多く使わない。文末のバリエーションを増やす
・盛り上げる言葉を加える・・「料理の宝石箱だ!」「この世のパラダイスだ!」 とか
・短文と長文で雰囲気を変える
・会話文で雰囲気を変える
・脚色を加えてもよい 嘘の方が本物に見える場合もある。脚色も演出の範囲内
・イメージしやすいように映像的に書く
・道徳的な決まり文句は面白くない
・ほかの人は言わない独自の意見で惹きつける
・感情的にならない
・ユーモアを忘れない
以上、とても耳の痛い話ではあるが、これらを愚直に実践していくしかない。学び、実践して経験を積もう。
最後に気になったフレーズ
「文才がある人とは、面白い文章を書くテクニックを身に着けた人である」。
私は今まで、文才とは生まれ持った才能だと思っていた。しかしそうではない。テクニックを身に着けた人が文才があるということなので、誰でもなれるということに気づいた。がんばって文才のある人間を目指そう。