笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字583は「挑」。プロ野球に再挑戦する新庄劇場の再現なるか

今日の漢字は「挑」。挑戦、挑発、難敵に挑む。

 

    新庄剛志が野球のトライアウトに挑戦した。

 

    48歳という高齢にもかかわらず、アスリートとして夢に再挑戦するという姿勢は素晴らしい。中高年の星だ。

 

   しかし球団と契約できるかは未知数。二軍ならまだしも、一軍登録でベンチに入れるのはたったの26人。現実的に48歳のロートル戦力を一軍に1人抱える余裕は、どこの球団にもないと思う。

    サンデーモーニングで出演した張本勲も「無理」と断罪していた。

 

    ツイッターなどでは、日本ハムが、斉藤祐樹と契約するくらいなら、新庄と契約してはどうかとの意見が散見される。日ハムも今年の成績は5位と下位に沈み、さらにエース有原とリードオフマンの西川が大リーグ挑戦と、主力流出の危機である。栗山監督も、ここ数年のチーム低迷を立て直せず、若手の積極起用に舵を切っているものの結果が伴わない。来期も契約継続という不可解なフロントの対応に、日ハムファンもマンネリ感や諦め感一杯である。ファンがそうした負の状況を目の当たりにし、人気回復の起爆剤として新庄に期待するという考えも悪くはないと思う。

 

考えてみれば、新庄の選手人生には華があった。

 

    タイガース時代は高い運動能力を駆使し、不動のセンターとして君臨。タイガースの守備の要を支えるとともに、シェアなバッティングでクリーンナップの一角を担った。甘いルックスと華奢な体から繰り出す豪快なバッティングで、タイガースの女性ファンを虜にした。

 

    新庄の伝説のバッティングといえば、ジャイアンツ戦で投手槙原の敬遠ボールを打ち返したサヨナラヒット。私はこの試合を実際にテレビで観戦していたが、何というとんでもないことをしでかすのかと驚愕した。槙原のボールは敬遠球でありながらも、確かに甘いボールではあった。しかし新庄は狙いすましたように体を思いきり伸ばしてバットを振り、ボールは三遊間を破ってレフト前に転がり三塁ランナーがホームイン。タイガースのサヨナラ勝ちとなり、甲子園球場は揺れに揺れた。

 

    漫画のような行動をしでかすこともそうだが、日ごろの発言も独特で、世間の目を気にしない唯我独尊の姿勢は、「勝利至上主義」に陥りがちなプロ野球界の風雲児であった。そうした新庄の行動の裏側には、「ファンを大事にする」「ファンに喜んでもらう」という理念があったのではないかと思う。

 

    その姿勢は、タイガースを退団後、大リーグ挑戦を経て再度日本球界に復帰した日ハムで加速する。パフォーマンスの数々を披露し、日ハムに無くてはならない存在となる。監督が外国人のヒルマンだったこともあるが、森本らとゴレンジャーのかぶりものでシートノックを受けたり、札幌ドームの天井からゴンドラで降りてきたり、バイクで登場したりとド派手なパフォーマンスのオンパレード。野球以外でも人々を魅了し、集客に大きく貢献した。新庄効果もあって日本一になるというオマケまでついた。

 

    おそらく彼は大リーグの経験で得た、「野球はエンターテイメント」という考えを日本に導入し、「野球場に足を運んでもらう。そして来場者に楽しんでもらう」という旺盛なサービス精神を、多くの野球ファンに伝えたかったのだと思う。

 

    残念ながら、新庄引退後、日ハムの魅力は半減。栗山監督の意向もあるのだろうか、パフォーマンスは皆無で、淡々と試合をして淡々と終わるつまらない試合に終始する。

 

    新庄がいた頃は小学生の息子を連れてよく野球観戦をしたが、子供が大きくなってからは全く行かなくなった。それは、選手も試合内容も魅力が無くなったからに他ならない。

 

    新庄が日ハムに復帰して新庄劇場の再現ともなれば、私も来年は札幌ドームに足を運ぶのではないかと思ってしまうのである。

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チャレンジを挑戦と訳すのはGOOD