笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字523は「技」。技能実習生について考える

今日の漢字は「技」。技術、技能、技量、演技、寝技、必殺技、格闘技、匠の技。

 

    新型コロナウイルスの関係で、日本に来る技能実習生が減っている。

 

    北海道でも漁業や農業関係などで技能実習生の人手が不足しており、深刻だという。

 

    私はこの技能実習生という言葉にいつも違和感を持っている。

 

    日本で技能を習得して、帰国後に生かせということか?

    日本の技術は凄くて、東南アジアの国は日本の技術を見習って、しっかり勉強せよということか?

 

    技能実習制度とは、「技術移転を通じた開発途上国への国際協力」ということになっている。例えば日本の工事で実習することで技術を習得し、本国に帰ってから、日本で得た技術を使って起業したり、その国の発展に役立てたりしてもらおうという趣旨。

 

    しかし実体は、技術移転ではなく、単純労働者として働かされている。

 

    東南アジアから来る技能実習生は、本国で聞いた話とは違う日本での厳しい労働と予想外の低賃金に、逃げ出す人が後を立たない。外国人の失踪者も2017年度で7000人に及ぶ。来日前に多額の借金を背負い、低賃金で借金が返せなくて窮地に陥る人も多いという。

 

    彼らは単純労働者以外に何者でもなく、はっきり言って期限の決められた移民である。技能実習生などという言い方は、「日本の技術を貧しいあなた方に賃金を払って教えているのだ」という上から目線の言い方でしかない。

 

   現政権は、移民政策を取らない。技能実習が終わったら帰国いただき、永住権を取得できないようにしている。

 

    永住権を取ると家族を呼び寄せ、永住してしまう。そうなると移民が増えてしまい、治安が悪くなる、日本人の職を奪う、税金や社会保障はどうするかなどさまざまな影響が懸念されている。ドイツが無条件で大量に移民を受け入れ、逆に苦しんでいるのを見ると、二の足を踏むのもわかる。

 

    しかしこれから日本の労働力は少子高齢化で急激に減少していく。

 

    移民は絶対に反対という人がいるが私はそうは思わない。国際化、グローバル化において人の移動を制限していく時代ではない。AIやデジタルな働き方や、労働生産性の向上など、外国人の知恵に学ぶべきことも多い。頑なに移民を否定し続ければ、国際競争力を失うことにもなりかねない。産業が縮小しない限り、人手不足が深刻化するのは明らかであり、それを補うためには労働人口を増やすしかない。

 

    ただ今の外国人労働者は、日本で数年間思い切り稼いで本国に送金して家族を助けるのが目的であり、数年で帰る。だから日本に溶け込もうとしないし、日本人とも積極的に付き合うこともない。新聞記事で読んだが、日本に来る外国人労働者は、土日も同郷の労働者と内にこもり、外に出かけないという。少しでもお金を貯めるため、買い物やレジャーにも行かない。これが移民として永住できるとなれば、きちんと就職しようという意欲にもつながるし、日本語を覚えて地元に溶け込もうという姿勢にもつながる。きちんと税金を納めるシステムを構築し、共存を図るということを将来的に考えていくべきだと思う。

 

   日本人より安い労働力で、日本の若者が働きたがらない3K職場でこき使い、雇用期間が終わったら、また次の技能労働者を受け入れる。経営者はそれで甘い汁を吸っていることを認識すべきである。そもそも日本人が働きたがらないような職場を作る経営者の姿勢が間違っている。令和の蟹工船とならないよう、外国人労働者の人権と雇用もしっかりと守っていかねばならないと思う。

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神業と神技はどう違うのか、よくわからない