今日の漢字406は「竹」。竹中式マトリクス勉強法について考える。
今日の漢字は「竹」。竹林、笹竹、竹刀、竹田市、竹中半兵衛、竹中直人。
経済評論家竹中平蔵氏が提唱する勉強の仕方に竹中式マトリクス勉強法がある。
勉強にはおおまかにふたつの方向性がある。
それは、天井のある勉強と天井のない勉強。
さらにそれらの勉強にも、「人生と戦うための勉強」と、「人間力を鍛えるための勉強」がある。
これをマトリクスにしたものが、下表。
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天井がある勉強 |
天井がない勉強 |
人生と戦うための勉強 (戦略) |
記憶勉強 (資格試験、TOEIC) |
仕事勉強 (英会話・経済学) |
人間力を鍛えるための 人と人を結ぶ勉強 |
趣味勉強 (趣味の検定) |
人生勉強 (教養の人間力を高める勉強) |
このマトリクスを時系列的なステージに当てはめると、
記憶勉強は、受験勉強や試験勉強、在学中や会社に入ってからの資格試験やTOEICなどがある。私も大学入学試験のみならず、20~30代にかけて宅建の試験やTOEICを受けた。
若い頃に一生懸命やる勉強で、試験に受かることが目的であるから、一定のハードルがある。無事試験に受かってハードルを越えてしまえば、そこでお役御免か、もしくはさらにその上のハードルを目指す。例えば英検2級に受かってから、さらに準1級を目指すなどがある。しかしいつかは限界という天井がくるため、ある程度先が見える勉強ともいえる。
そして資格とは別に、仕事に生かす勉強や英会話を勉強するなどの仕事勉強へとシフトしていく。これはお金を稼ぐため知識を増やしたり、仕事でアイデアを出したり、セールストークを磨いたりと、会社で成果を出すために続けていく勉強で、これは天井が無い。仕事という戦いを勝ち抜いたのちも続けていく勉強といえる。
それと平行して、人生を充実させるために行う勉強が趣味勉強。趣味系の検定試験に若いうちから挑戦する人は多い。友人は世界遺産検定にチャレンジしていたし、先輩はスキー検定2級をとると意気込んでいた。ただ、趣味を極めるのは、師匠や師範を目指すなら別だが、ある程度の限界が見えてくる。プラモデルやフィギュア、ペットボトルのフタなど、自分の大好きなものを収集すヲタク系の趣味もあるが、いつまでも集め続けるわけにもいかず、いつか限界はくるし、飽きるということもある。私は、自分が妻より先立てば、彼女にとって私のコレクションはゴミにしかならないから迷惑がかかると思い、コレクション関係は一切やっていない。
最後に、中高年が目指すべきは、天井がない人生勉強。死ぬまで人間力を磨き続ける勉強で、これはまさに不朽。著述家の渡辺昇一や日下公人など、高齢になっても本を出し続けた人をイメージするとわかりやすい。特に会社をリタイアすると、教養を高めたり、人間力を高めたりする方向に向かっていくのだと思う。
知り合いは50代から俳句を始め、毎週新聞社に俳句の投稿をしてもう30年になる。俳句は趣味勉強と思うが、俳句のネタのためにさまざまな情報収集をしたり、俳句の会に通い、交流を深め、それに味をしめた彼は、俳句以外のいろいろな会に顔を出し、随分と社交的になった。そういう意味では趣味勉強が高じて人脈を深める人生勉強に移行しているのかもしれない。
私もそろそろ人生勉強への移行を模索しているところであるが、教養を磨くテキストや、人との出会いがまだない。残された時間もそう多くはないわけで、あれこれ手を出すというよりは、まずは、教養を磨くために読書をしようかと思っている。
ただ、時間読書の関係について池上彰氏は、「日本男性の平均年的男子なら、勉強したり活動したりできるのは、せいぜい75~76歳。時間との闘いの中で、何を読むか。選択と集中を考えた方がいい」と述べている(知的再武装60のヒント)。健康に生きたとして残り20年。人生勉強のために読む本も闇雲というわけにはいかない。
慧眼の力を磨き、自分の血肉となるものを効率的に吸収していく。そんな学ぶ習慣を年をとっても持っていたいものだと思う。
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