今日の漢字505は「景」。タクシーの中での会話は景気の話だけではない
今日の漢字は「景」。景気、景色、百景、夜景、風景、情景、景品、竹下景子。
他愛も無い世間話といえば、大抵はタクシーの中で行う運転手さんとの会話。その中で一番ネタになりやすいのが、景気の話。
景気ウオッチャー調査というものがあるが、百貨店、スーパー、コンビニなどの小売店やレジャー業界、タクシー運転手など景気に敏感な職種2000人にインタビューし、分析している。
タクシーの利用状況の良し悪しが景気動向を測るひとつの目安でもあるが、乗客との会話においては、最低でも1日1回は景気に話題が及ぶのではないか。
乗客からの「最近、景気はどう」の質問に始まり、「いやあ、コロナウイルスで全くお客さんも乗ってくれませんわー」、「すすきのから乗るお客さんも少ないのかねー。そういえば飲み屋にも全然人がいないもんね」「早くコロナが収束してもらわないと、私らの商売上がったりですよ」などの会話が展開される。
先日、私が一人仕事でタクシーに乗った際にも景気の話となり、案の定、厳しいねーなどとお決まりの話が続いたが、それ以上発展することもなく、話題が尽きた。
そこで私は話題を変えようと、最近ワイドショーでよく見かける、運転手の暴行をドライブレコーダーに記録されていて、犯人がすぐに逮捕されることについて、聞いてみた。
私「最近はドライブレコーダーがあるおかげで、運転手さんが暴行にあうことは無いですか」
運転手さん「そうなんですよ。ドライブレコーダーがあるおかげで、無茶なお客さんは減りましたねー」
私「無茶なお客さんが減った?」
運転手さん「この前も酔ったお客が私(運転手)のシートを後ろから足蹴りにした際、「お客さん、ドライブレコーダーで録画してますよ」と言ったら、急に足蹴りをやめて大人しくなりましたよ。ドライブレコーダーの効果は絶大ですね」
そうか、乗客の行動の一部始終が録画されていることがわかれば、証拠は完璧に揃っている。映像が警察に渡れば言い逃れようがない。だから、乗客はドライブレコーダーと聞いた瞬間、「こりゃあかん」となって、暴行を諦める。
私「売上金を強盗されることもないですか?」
運転手さん「そりゃあもう、ドライブレコーダーが導入されてから、そういう話は一切聞かなくなりましたねー」
よくワイドショーであるのは、運転席を足蹴りにして、暴れる乗客の姿。「なめんなよ。おりゃおりゃー」と騒いで運転手に暴行を与える様は、ビデオに顔まではっきりと映っている。(画像はモザイク処理されているが)
警察からその映像を見せられた容疑者は、反論の余地もなく「酔っていて覚えていない」を繰り返すハメになるのであろう。
もともとは交通事故の証拠を集めるべく導入されたドライブレコーダーだが、特にタクシー業界では、乗客の運転手に対する行動が逐一記録されるから、犯罪の抑止に大きな効果を発揮しているのだろう。
タクシーに乗るときは、大人しく乗る。これに尽きるのである。