笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字497は「縁」。北海道人は新幹線に無縁である

今日の漢字は「縁」、良縁、血縁、縁談、因縁、合縁奇縁、縁日、縁の下、縁側。

 

    北海道民にとって、新幹線はほぼ無縁の存在。

 

    ようやく新函館北斗まで新幹線が延伸してきたが、まだまだ上京手段は飛行機によることが大きい。

 

    だからたまに新幹線に乗るというと、同じ北海道人に羨ましがられる。それだけ時間的にリッチな旅という印象があるから。

 

    だいたい、新千歳―東京間の移動は99%は飛行機だし、東京に行ってしまえば、新幹線に乗って他の地域に足を伸ばすというシチュエーションはまずない。

    家族で東京に行っても、TDLや都内観光で済んでしまうから、新幹線に乗ってちょっと足を伸ばすという魅力のある地域はない。

    例えば北なら栃木、福島、長野、軽井沢。西なら熱海、静岡、せいぜい浜松。

 

    北海道から東京経由で行くだけの価値がある地域は残念ながらない。だから北海道人はほとんど新幹線に乗らないという根拠になる。

 

    ただ道内の高校生は、修学旅行で京都に立ち寄ったのち、新幹線で東京に移動するから、新幹線初体験は割と早めに訪れる。しかしながらほぼそれが最後で、その後社会人で東京や関西にでも住まない限り、長年北海道ジモティと化すと、しばらく新幹線に乗らないということになる。

 

     その代わり飛行機に乗る回数は、47都道府県民の中では群を抜いて高いであろう。

 

    その反対に面白いのが仙台の人。仙台に住む知人がいるが、飛行機に乗ることは海外旅行くらいだという。確かに仙台から東京にしても名古屋にしても、新幹線を使う方が便利。だから北海道人が常に飛行機移動するというと逆に羨ましがられるから不思議である。

 

    さて、道都札幌への新幹線延伸は2030年とあと10年先。北海道の経済界は、景気浮揚の起爆剤として北海道新幹線に大きな期待をかける。

    ただ東京まで4時間以上はかかるから、飛行機との競争は依然厳しい。東京―福岡が新幹線5時間VS飛行機2時間で新幹線シェアはわずか8%。まずは東京―札幌が5時間を切らないことには話にならない。青函トンネルが、貨物列車との行き違いの風圧の関係で140kmまでしか速度を出せないというデメリットなどをいかに克服していくかという問題がある。

 

    余談だが、北海道新幹線倶知安、小樽、札幌と函館本線沿いの北回りのルートをとる。これが札幌まで最短なのだが、沿線の人口が多いのが、室蘭、苫小牧、千歳を要する千歳線室蘭本線沿いの南回りルート。ルートを決める際、どちらにするか揉めたのだが、結果的に東京までの時間が短い北回りルートとなった。しかし実は1973年の当時田中首相が従来決定していた北回りルートに加え、南回りルートとさらに札幌―旭川ルートを基本計画とする案が決まるという、日本列島改造バブルの嵐が吹きぬけた時代があった。

   北海道に2本も新幹線は要らんでしょう。タヌキや羆でも乗るのか。

 

    人口減少と過疎化の進行のなか、新幹線という巨大インフラは地域人々の生活にどのように影響を与えていくのか。インバウンド観光は10年後には復活していくだろうから、中長期的に利用者は増えるとは思うが、頻繁に新幹線を利用して東京に行ける日を夢見ている。

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企業の縁故採用はまだ生きているのだろうか