笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字498は「起」。人類の起源に思いを馳せる

今日の漢字は「起」。起床、起立、隆起、突起、奮起、縁起、提起、起動、発起人。

 

     人類の起源は、今から700万年前に、チンパンジーから分かれた「サヘラントロプス・チャデンシス」と言われている。アフリカ中央部チャドで人類最古の化石が発見され、人類がチンパンジーと分かれた化石と推定されている。

 

     人類は長い間、アフリカで過ごし、180万年前にホモ・エレクトスという人種がアフリカを飛び出し、世界各地に広がっていった。なぜ彼らがアフリカを離れたのかは今でも解明されておらず、食料不足により食べ物を探して放浪したのかもしれないし、住んでいる土地に飽きて、好奇心から移動したのかもしれない。

 

    世界史で猿人、原人、旧人、新人という区分けがあったように記憶しているが、それほど単純なものではなく、人類が初めて出現してから現在までに、地球上には、20を超える人類の種が現れ、厳密にどの時代がどれという定義はないという。

 

    中東からヨーロッパにかけては25万年前から3万年前にかけてネアンデルタール人が出現、そのあとネアンデルタールが住んでいた地域にホモ・サピエンスであるクロマニョン人が遅れて同じ地域に住み着いていたと言われている。

 

    ネアンデルタール人はクマニョン人との生存競争に敗れ、絶滅という途をたどる。結果的にクロマニョン人以外の人類種がすべて絶滅し、クロマニョン人は次々と子孫を増やし、全世界を征服し、72億人という人類の勝者となったわけである。

 

    一説では、ネアンデルタール人の脳は1450ccとクロマニョン人の脳より大きかったと言われている。単純に考えれば、脳の大きい方が知能が高く、より生存確率が高いのではと思うが、学説では、ネアンデルタール人の方が狩の仕方が稚拙だったり、学習能力が高くなかったり、それにより次世代に知識を継承できなかったという。

    一方のクロマニョン人は高い学習能力や知識の継承があったり、さらにはオオカミを家畜化してイヌとして狩に役立てて、より多くの獲物を得た。こうしたアドバンテージを利用し食物の獲得競争でクロマニョン人ネアンデルタール人に打ち勝ったといわれている。

 

     我々は3万年前の生存競争に思いを馳せるわけにはいかないが、38億年の地球の歴史の営みの中で、多くの生物種が絶滅したことを忘れてはならない。恐竜のように天変地異で絶滅した種もあれば、人間の乱獲によって滅ぼされたドードーのような動物もいる。絶滅危惧種といえば、人間が地球の環境破壊や乱獲によって生物の生存領域が脅かされていることの影響を語るが、3万年前のように食物獲得競争に敗れて絶滅する種もあったという事実は、生き残るための必然だったのかもしれない。

 

    動植物はほとんどが自分の縄張りの範囲で生き、生殖し、子孫を残し、その子孫もまた同じ地域で一生を終える。人間のように飽くなき欲望で、全世界中を飛び回り、本来住む必要のない場所の自然をも破壊し、土地を開拓する。

 

    人類は食物連鎖の最上位におり、寿命を全うするまで生きていて当然、動物に食べられることは絶対にないという驕りがある。しかし少なくとも3万年前までは、肉食動物に食べられる恐怖に怯えながら、集団生活と狩の知恵で身を守ってきた。何十万、何百万人という犠牲者の上に今の繁栄がある。

 

    少なくとも他の多くの動物のように、自然の摂理に反さずに謙虚に生きていかなけば、これからの地球での共存は覚束ない。その心を無くして人類が暴走をし、誰も止められなくなったときに、20番目の人類種の絶滅という憂き目を見るに違いない。

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