笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字479は「冷」。年寄りの冷や水について考える

今日の漢字は「冷」。冷水、冷夏、冷房、冷涼、冷酷、冷笑、冷菓、冷蔵庫。

 

 「年寄りの冷や水」という言葉がある。

 

    老人に不似合いな危ういことをするたとえ。老人が出過ぎたふるまいをすること。

 

    暴走老人や老害など、高齢者を揶揄する言葉が氾濫している。

 

     暴走老人や老害にならないためには、何が必要なのだろうか。

 

    富士通総研経済研究所の調査では、「過激度に最も大きな影響を与えているのは年齢」という結果を発表している。

 

    いわば年齢を重ねるごとに、年齢そのものが暴走モードを作っているのである。

 

    この調査では、20代から70代までの男女に「憲法9条を改正する」「夫婦別姓を選べるようにする」「原発は直ちに廃止する」など政治的なテーマを10個用意し、賛否を「強く賛成」から「強く反対」まで7段階で答えてもらったもの。さらにテレビやネット、新聞などのメディアとの接触度との関係も分析した。その結果、単純に年齢が高い人ほど過激な意見を持っているということがわかった。

 

    実は若い人ほどネットで多様な意見に接しており、過激な意見に触れるということはなかった。むしろ高齢者ほど中庸な意見と過激な意見に分極化しているということも明らかになった。

 

    アメリカの調査でも、分極化が起きているのは、「65歳以上のインターネットを利用していない層」だと明らかになっている。

 

    このことから言えることは、新しいモノや情報に触れないと、脳が頑固化してしまうということ。それは「脳の最適化」が背景にある。

 

    脳機能における最適化とは、1つの物事に没頭していると、その行為に脳が最適化していくということ。しかしこれには落とし穴があり、新しいことを取り入れないがために、脳が柔軟性を失った結果、選択肢は狭まり脳が悪い意味で最適化してしまう。過激な意見を持ちやすいということは、つまり「私は間違っていない。自分は正しい」という脳の最適さ=頑固さが根付くということである。よって過激な言動が目立つようになる。

 

    それを回避するためには慣れよりも新鮮さ、いわば新しいモノや情報に触れることが大事。新しいモノに触れる際に注意することが、「半歩先にある新しいことを始める」というもの。いきなり高いハードルを科すと、そのチャレンジに脳が疲れやすくなるため、「半歩先」からのスモールスタートで始めるのが望ましい。英語やボランティア、地域活動、ピアノや将棋。スモールスタートできる新なチャレンジは山ほどある。

 

     あとは自分の価値観がすべて正しいと思わず、いつまでも謙虚な気持ちで学び続けることができれば、「年寄りの冷や水」と後ろ指を刺されなくなる。50代、60代はそうならないよう、さっそく何かを始めてみよう。

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常に冷静沈着でいたい